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猫を飼う前に知っておきたい 飼い主さんが後悔する大変さとは

猫は犬とはまた違った飼育の大変さがあります。かわいいという理由だけで飼うと後悔するおそれもあるので、しっかり心構えすることが大切です。今回は、猫を飼う大変さについての飼い主さんの意見とともに、猫を飼うのに必要な費用や覚悟について解説します。

ねこのきもち獣医師相談室

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猫を飼うのは大変?後悔している?飼い主さんのリアルな声

あごの下をなでられる灰色の縞模様の猫
Kseniia Soloveva/gettyimages
猫を飼う大変さは、実際に猫を飼ったことがある人にしかわからないもの。そこで、ねこのきもちWEB MAGAZINEでは、猫の飼い主さん396名に、「猫を飼って大変だった、後悔したと感じたことはありますか?」というアンケート調査を実施しました。

猫を飼って大変だった・後悔したと感じた飼い主さんの割合

猫を飼って大変だった?後悔した?
※2021年2月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数 400人)
猫の飼育に関するアンケート(ねこのきもちWEB MAGAZINE)
アンケートの結果、36%の飼い主さんが「猫を飼って大変だった、後悔した」と感じたことがあるということがわかりました。では、猫との生活のどんなところに後悔や苦労を感じたのでしょうか?飼い主さんの意見を項目別に見ていきましょう。

大変だったこと・後悔したこと1.生活面の変化

とくに回答が多かったのが、猫を飼う前と飼った後の「生活面」の変化。飼い主さんからは、次のような声が寄せられました。

  • 旅行に行けなくなった。行っても猫を気にして楽しめないし、すぐ帰りたくなる。

  • 料理や就寝、お出かけなど、今までやっていたことが自分のペースでできなくなりました。

  • 誤飲誤食が怖くてものを出しっぱなしにできない。家のなかをいつもキレイにしておかないといけないので、ズボラな性格の私には大変……。

  • 玉ねぎやチョコレートなど、猫が食べてはいけない食品を扱うときは神経をとがらせるようになった。

  • 毎朝必ず5時に起こしに来る。

大変だったこと・後悔したこと2.猫の生態

大声で鳴いたり、かみグセがひどかったり、夜中に大運動会を開催したり……。性格やクセといった、「猫の生態」について大変だと感じている飼い主さんの声も多く挙げられました。

  • 保護当時からあるかみグセがひどい。いまだに矯正できていません。

  • 未明に大運動会が開催されることと、朝早くから鳴いて起こされること。一時期は寝不足になって大変でした。

  • かまってアピールや要求がとにかく激しい。少し離れただけで強烈なほどの大声で鳴いてきます。

  • 甘えん坊のかまってちゃんな性格なので、いつもべったりくっついてきたり、室内ストーカーしたりする。いたずらや盗み食いもよくするので目が離せません。

大変だったこと・後悔したこと3.お世話

散歩が必須の犬と比べて楽で飼いやすいと思われがちな猫。でも実際は、掃除やケアなどさまざまな「お世話」が必要で、大変と感じる飼い主さんも多いようです。

  • 飼っている2匹とも頻繁に病院にお世話になること。こんなに病院に通わなければならなくなるとは思わなかった。

  • 大型長毛種なので毛のお手入れが大変。ブラッシングが好きじゃないので、おやつを与えながらしています。

  • 毛玉をなかなか吐いてくれなかったため、毛玉ケアのゴハンを用意したり、猫草をあげたりと気をつかいました。

  • 粗相をしたときの後処理。洗えないソファーにオシッコされたためニオイが残って、別の猫も同じ場所に粗相するように……。

大変だったこと・後悔したこと4.お金

あまり挙げられなかったのが「お金」に関する意見。とはいえ、病院代や電気代など、猫と生活するうえでさまざまなお金がかかることに、大変だと感じている飼い主さんは少なからずいるようです。

  • 飼い始め当初は病弱だったので毎日病院通いに。1年間で安い車を買えるくらいの病院代がかかりました。

  • 多頭飼育なのでゴハン代や病院代、トイレ砂などとにかくお金が高くつく。

  • トイレやケージ、術後服など、猫の生活のために準備するものが高い。都度の出費も増えました。

  • 夏と冬にはエアコンをつけっぱなしにしないといけないので、飼う前より電気代がかかる。


そのほかにも、「猫どうしの仲が悪い」「家具などがボロボロになる」「お別れするときがつらい」などの意見も挙げられました。理想だけで猫を飼い始めると「思っていた生活と違う!」と後悔してしまうおそれがあるので、こういった意見はぜひ参考にしたいですね。

猫を飼うのは犬より楽なんてことはない!

飼い主さんに抱っこされるふわふわの猫
undefined undefined/gettyimages
猫は犬よりも飼うのが楽と思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。猫を飼う際は以下のような心構えや準備が必要となってきます。

十分な飼育環境が必要

猫は室内飼いが基本なので、猫が暮らすのに適した住環境が必要となります。住まいがペット可の物件であることはもちろん、キャットタワーなど運動に役立つグッズを置くスペースや、のびのびと遊べる空間を確保できることも大切です。

お世話する時間の確保が必要

毎日の食事にブラッシングなどのケア、排泄物や室内の掃除といった、猫が生きていくために必要なお世話はたくさんあります。また、体調をくずしたときの動物病院の通院や看病、年をとったときの介護についても考えなくてはなりません。今の生活のなかに、猫のお世話にあてられる時間はあるか慎重に検討してください。

家族間の同意やすり合わせが必要

いっしょに暮らす家族がいる場合、猫を飼うことの理解と同意を事前に得ることは必要不可欠です。猫は苦手ではないか、生涯にわたって猫を飼う覚悟はあるのか、家族間で入念に意見のすり合わせをしましょう。

なお、アレルギー体質の人だと、猫の毛や排泄物が原因でアレルギー症状がでるおそれがあります。家族のなかにアレルギー体質の人がいる場合は、猫を飼う前に詳しいアレルギー検査を行うことをおすすめします。

転居や旅行が難しい

猫は環境の変化や長時間の留守番を好まないため、転居することや、ペットホテルなどにあずけての旅行は難しくなります。また、どうしても転居したい場合は、前述したペット可の物件を探す必要があります。賃料が割高に設定されていることも多いため、ふつうの転居よりも費用が高くつくことも頭に入れておきましょう。

生涯にわたって費用がかかる

詳しくは後述しますが、猫を飼うと生涯にわたって費用がかかります。猫のお迎え費や食費、設備などの購入費、健康診断や病気治療にかかる診療費など、経済的負担はかなりのもの。猫にどれだけのお金をかけられるのかよく考える必要があります。

一人暮らしでは別途準備や費用が必要なことも

一人暮らしの場合、猫だけを残して長時間家をあけなければいけないことも。留守番中も快適に過ごせるよう、自動給餌器や給水器、爪とぎ器などのグッズを用意するのがおすすめです。また、出張や入院など急な外泊のときに猫をあずける、ペットホテルやペットシッターの利用費も用意しておく必要があるでしょう。
猫を飼う際の心構えや準備については、以下の記事も参考にしてみてください。

こんなにもコストが!猫を飼うのにかかる費用

猫タワーに座る猫
Danai Jetawattana/gettyimages
前述したように、猫を飼うにはさまざまな費用がかかります。一時的なものから年間でかかる費用まで項目別にご紹介します。

生活必需品

まず飼い始めのときにかかるのが、フードやトイレといった生活必需品一式の購入費。内訳と平均額は以下の通りです。

  • フード…平均額2,633円/月

  • おやつ…平均額750円/月

  • トイレグッズ(トイレ砂・シーツなど)…平均額1,242円/月

  • 猫ハウス・キャットタワー…平均額11,677円/年

  • おもちゃ…平均額2,239円/年

  • 爪とぎ器…平均額2,152円/年

健康診断

猫の健康を守るため、1年に1回は受けたほうがいいとされる健康診断。受ける地域によって費用は異なりますが、1匹あたり年間で5,290円ほどかかります。猫の年齢や健康状態に合わせて検査項目や回数の調整が必要なため、金額はその都度変動します。

ワクチン接種

感染症予防に役立つワクチン(3種混合ワクチン)は、猫を飼い始めた初年度に2回以上、それ以降は健康状態に合わせて1年に1回接種するのが基本です。接種費用の平均額は、1匹あたり年間4,661円。

また、ワクチン接種といっしょに受けたいのが、ノミ・ダニ予防。予防薬は安価な市販品もありますが、動物病院で医薬部外品を処方してもらった場合、年間で5,179円ほどかかります。

手術・治療費

猫が病気になったときにかかる治療費は、病気の種類や持病の有無、受診する動物病院によってもまちまちです。ここでは、猫がとくにかかりやすい病気の治療費と手術費用をご紹介します。

去勢・避妊手術

去勢手術と避妊手術では施術内容が異なりますが、性別問わずに費用を算出した場合、1匹あたりの平均額は15,462円となります。助成金がでる地域はより安く抑えられる場合もあります。

膀胱炎

頻尿や血尿などの症状がでる膀胱炎は、尿検査と超音波検査による診断、炎症を抑える内服薬の処方、通院の流れで治療を行います。再発やほかの病気を併発することもあり、治療費は2,000円~40万円と大きく差がでます。

尿石症

尿道や膀胱に結石ができて頻尿や血尿を引き起こす尿石症には、尿検査と抗生物質の処方による治療が行われます。ただし、結石が尿道などにつまると手術や入院、腎臓のケアといった別の治療が必要になるため、こちらも2,000円~40万円と治療費に大きく差がでます。

猫カゼ

ウイルスに感染することで発熱や鼻水、目ヤニなどの症状がでる猫カゼでは、抗生物質を投与して症状の悪化を抑える治療を行います。症状によっては数回通院することもあり、治療費は1,500円~50,000円となっています。

内部寄生虫

寄生虫が原因で下痢や嘔吐が起こる内部寄生虫には、顕微鏡検査、駆虫剤の処方、通院の流れで治療を行います。ほかの病気よりも治療費は安く済みますが、ウンチの遺伝子検査を受けた場合は高額になるため、2,000円~50,000円と少し幅があります。

ペット保険

ペット保険は、ケガや病気をしたときの医療費を一部補償してくれるサービスです。保険会社によって補償割合や内容は異なりますが、1匹あたりの保険料の平均額は年間で25,299円ほどになります。保険の加入には年齢の上限があることがほとんどなので、できるだけ若い年齢のうちに加入することをおすすめします。

そのほか臨時でかかる費用

急な外出でお世話ができなくなったときに利用するサービスやグッズ、病気治療の際に処方される薬など、臨時でかかってくる費用もいくつかあります。

  • ペットホテル…平均額10,000円/泊

  • 薬・サプリメント…平均額21,811円/年

  • 自動給水器…平均額1,393円/月

  • 汚れふき用ウェットティッシュ…平均額1,775円/月

  • 抜け毛とり用クリーナー…1,207円/月
猫にかかる費用については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

飼う大変さをしっかり理解して猫を迎え入れよう!

目をつぶって座るベンガル猫
Kech/gettyimages
猫を飼うのはかなり大変ですが、苦労や後悔することばかりではありません。実際に飼い主さんからも「ゴロゴロいう姿に癒される」「いつもそばに寄ってきて甘えてくれる」「玄関に走ってきてお出迎えしてくれる」など、猫を飼ってよかったと思えるエピソードがたくさん寄せられています。

このように猫も飼い主さんも幸せに暮らすには、猫を飼うのは何が大変なのかを理解することが大切です。猫を飼ったことを後悔して無責任に手放すことがないよう、しっかり情報収集して準備を整えてから猫を迎え入れましょう!
参考/「ねこのきもち」2019年1月号『猫との暮らしでかかるお金はいくら?CAT計簿』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/pigeon
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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