ペットショップなどでさまざまな猫用首輪が売っていますが、そもそも猫に首輪は必要なのでしょうか? 今回は猫の首輪の必要性やメリット・デメリット、選び方や慣れさせ方、ストレスについて解説します。おすすめの首輪などもご紹介するので参考にしてみてください。
ねこのきもち獣医師相談室
愛猫の困りごとや悩みについてアドバイスをする、「ねこのきもち」獣医師チームです。豊富なアドバイス経験をもとにした丁寧な情報発信を心がけています。誰でも無料でご利用いただけるチャット相談 「
ペットケアONLINE」も展開中。
続きを読む
猫に首輪は必要?メリット・デメリットは?
猫に首輪をつけるメリット
- 万が一脱走してしまった場合、首輪をつけていれば「飼い猫」だという目印になる
- 首輪に飼い主さんの名前や連絡先、愛猫の名前などを記入した迷子札をつけられるため、もしものことがあった場合に飼い主さんにのもとに戻れる可能性が高くなる
- マイクロチップを入れていない猫の場合は、首輪をつけていると身元確認に役立つことがある
- 鈴のついた首輪の場合は、愛猫の居場所がわかりやすくなる など
猫に首輪をつけるデメリット
- 首輪がついていることで思うように毛づくろいができず、ストレスを感じることがある
- 首輪をつけている部分の毛や皮膚に摩擦が起こり、抜け毛や皮膚炎を招くことがある
- 狭い場所を通ろうとしたときなどに首輪がほかのものに引っかかり、身動きが取れなくなる危険性がある など
デメリットは飼い主さんの工夫次第で回避できることが多い
このように猫に首輪をつけることには、メリットもあればデメリットもあります。しかし、デメリットは飼い主さんが注意さえすれば回避できることが多いです。
たとえば、複数の首輪をローテーションし、汚れたら洗うなどの対策をすれば、皮膚炎などは予防できますし、一定の力が入ると外れる「セーフティバックル」タイプの首輪を使えば、万が一首輪が家具などにひっかかってしまった場合にも安心です。また、詳しくは後述しますが、首輪の選び方を工夫すればストレスも感じにくくなるでしょう。
ただし、首輪をつけていて、首のまわりの毛が抜けている猫の場合は、明らかに首輪の影響であることが考えられるため、あまりおすすめできません。とはいえ、迷子防止などの面から考えると、首輪をつけることで得られるメリットのほうが大きいといえます。基本的には猫に首輪をつけたほうが安心でしょう。
猫の首輪の選び方や理想のサイズは?
幅1cm程度のものがベスト
猫の首輪は、幅1cm程度のものを選び、人の指が2~3本入るくらいのサイズを目安に調節するといいでしょう。毛のボリュームを含めて、ぴったりのサイズになるのがベストです。
それよりきついと猫が窮屈に感じやすく、それよりゆるいと猫が取ろうとした際に引っかかる危険があります。
素材や重さに気をつける
まだ首輪に慣れていない猫だと、鈴の音がストレスになることもあるので、はじめは軽くて飾りのついていないシンプルなデザインのものを選ぶようにしましょう。
素材は布がベストです。革素材は独特のニオイや重さが猫のストレスとなる可能性もあるため、あまりおすすめできません。
すぐに外れるつくりのものを
先述したとおり、窒息などの事故防止のためにも、セーフティバックルがついていて、何かに引っかかると外れるタイプの首輪を選ぶのがおすすめです。なお、伸縮性があると前足や家具などに伸びてひっかかる可能性があるため、避けたほうがいいでしょう。
GPSつきもおすすめ
最近では、GPSつきの首輪も販売されています。スマホやPCなどで専用のアプリを使い、リアルタイムで位置確認ができるものや、猫を呼び戻すコールバック機能がついているものも。
脱走して迷子になってしまったときや、災害時などに飼い主さんとはぐれてしまったときなど、GPSつきの首輪があると早く迎えに行くことができるので、視野に入れたいアイテムのひとつです。
愛猫を首輪に慣れさせるには?
子猫のうちからつけ始める
ほかのトレーニングなどにも通じますが、成猫になってから首輪に慣れさせるよりも、子猫のときから慣らしておくほうがスムーズです。愛猫に首輪をつけると決めたら、早めのタイミングで慣れさせるようにしましょう。
リボンなどの軽い素材を巻くことからスタート
猫を首輪に慣れさせるには、「首輪=楽しいもの(不快でないもの)」と思わせることがポイントです。愛猫の好きなことを利用して、気をそらすようにして首輪をつけていきましょう。
よりスムーズに首輪に慣れさせるには、首輪の前段階として、布製のリボンなどの軽いものを首に巻くことから始めてみるのもひとつの方法です。また、ブラッシングや飼い主さんとのスキンシップが好きな猫は、好きなことをする直前に上記の方法を試すのもいいでしょう。
嫌がったらすぐに外すことも大切
首輪の練習を進めていくうえで、猫の慣れ具合が一進一退するのはつきものです。「昨日はおとなしくつけさせてくれたのに今日は嫌がる」といったときは無理をせず、すぐに首輪やリボンを外しましょう。根気強くトレーニングを進めていくことが大切です。
首輪による猫のストレスを軽減する方法は?
先述したように、猫に首輪をつけることは、猫にとってストレスになる場合もあります。特にたくさん飾りのついたものは、その重さが猫の負担になってしまうことも。そのため、つけはじめはシンプルなデザインの物を選び、猫の性格に合わせて装飾の有無を決めるようにしましょう。
なお、リボンなどの飾りは大きすぎたりぶら下がっていたりすると猫が気にして、誤食につながることもあります。縫製が悪いと取れてしまうこともあるので注意してください。
鈴がついている首輪は大丈夫?
猫は人よりも耳がよいため、大きな音に苦手意識をもったり、不快感を抱いたりすることがあります。首輪についているとかわいらしく便利な点もある鈴ですが、猫の性格によっては顔の近くで鈴が鳴るとストレスになる場合もあるということを、認識しておいてください。
猫の安全性のために鈴をつけるのであれば、愛猫の性格をよく見極めたうえで、小さい鈴で音が大きくなりすぎないものを選び、少しずつ慣らしていきましょう。
以下の記事では、猫に鈴をつけるメリット・デメリットについて解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
おすすめの猫用首輪10選
ここからは、おすすめの猫用首輪をご紹介します。つけ心地のよさや安全性などのポイントをおさえた首輪をピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、幅が広い首輪は、毛がからまるなどして嫌がることがありますので注意してください。
ベルベット素材の首輪
まずご紹介するのは、necotas+のベルベット素材の首輪です。ベルベットの上品な質感と王冠付きのパールのチャームがおしゃれ。安全バックルがついているので、いざというときにも安心です。
迷子札つきの首輪
迷子札がついていて、さまざまな色柄から選ぶことができる、柔らかな素材の首輪です。迷子札は首輪にしっかりと縫製されるため、ぶら下げタイプが苦手な猫にもおすすめ。
和柄の首輪
こちらはiCATの和柄がかわいらしい一品。人の着物にも使われるちりめんを用いているため、軽くて柔らかく、猫への負担が少ないのが魅力的です。安全バックルが使われ、さらに首輪の一か所がゴム仕様と、安全面への配慮も◎
唐草模様の首輪
唐草模様が目をひく、高品質な日本製のゴムを使用しているシュシュタイプの首輪です。8種類のサイズから選べ、鈴の有無が選択できるのもうれしいポイント。
シュシュタイプの首輪
華やかな花のモチーフが目をひく、シュシュタイプの首輪。サテン生地とアクセントフリルがおしゃれでかわいいですね。安全バックルや光を反射する鈴がついており、猫の安全面をサポートしてくれます。
鈴つきの首輪
「着けているのを忘れてしまう」がコンセプトのnecono首輪シリーズより、鈴がついているシンプルでかわいらしい首輪です。強い力で外れる安全設計に、猫の自由な動きにフィットするストレッチ素材が魅力。鈴は魚デザインで遊び心もあります。
リボンつきの首輪
同じくneconoより、リボンデザインがあしらわれた首輪です。重さ約3gと、猫への負荷を軽減。初めての着用時にサイズを調節できるため、どんな体格の猫でもしっかりフィットさせることができるでしょう。
オーダーメイド首輪
迷子札を首輪に直接印字するタイプと、レーザー刻印の皮タグの2種類から選べる首輪です。首輪の素材は天然染めされたベルギーリネンと良質。シンプルながらおしゃれなデザインです。
軽量タイプの首輪
くすみカラーがかわいい、amicoの首輪。軽くて丈夫な素材に、ふわふわとした裏地を用いており、着け心地もよさそうです。セーフティバックルも使われているので、いざというときも安心ですね。
色鮮やかなカラーの首輪
最後にご紹介するのは、鮮やかなカラーとかわいらしい肉球模様が目をひく首輪。もちろんセーフティバックルつきです。猫のデザインがあしらわれた留め具も魅力的。
首輪はつけるのがベター。根気強く慣れさせよう
首輪は子猫のときからつけておき、自然に慣れさせるのが一番ですが、成猫になってからでも、身元確認のために首輪に慣れてもらうようにしましょう。
首輪をつけることが難しい場合は、マイクロチップの装着も検討してみましょう。近年はマイクロチップが広く普及し、ほとんどの病院で簡単に装着してもらえます。災害時の身元確認にも有用ですので、首輪が苦手な猫には特におすすめですよ。
参考/「ねこのきもち」2008年10月号『やさしく慣らそう! 掃除機 首輪 キャリーケース』
「ねこのきもち」2010年3月号『猫がうれしいグッズのサイズを調べました!』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/kagio
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。