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【獣医師監修】アレルギー用のキャットフードはどうしたらいい?原因や治療法も解説

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人と同じように、猫も食物や花粉などでアレルギーを発症することがあります。今回は、猫が食物アレルギーを起こす原因や症状、食物アレルギーの治療法、フードの疑問について解説します。人気のフードブランドランキングも参考にしてみてくださいね。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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猫がアレルギーを起こす原因

寝転がるMIXのオス猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫には「免疫」という体外の異物(例えば、細菌やウイルス)から体を守るための仕組みがあります。この免疫が特定の物質過剰に反応してしまうことを「アレルギー」と呼びます。
猫が発症するアレルギーには次のようなものがあります。

食物アレルギー

免疫機能が誤って食物を異物と認識してしまうことを食物アレルギーといい、異物と判断された物質のことをアレルゲンと呼びます。繰り返し同じ成分を摂取することで突然症状が出るケースもあるため、注意が必要です。

食物アレルギーは成長期に多く見られるため、1才未満で非季節性のかゆみが続く場合は、動物病院を受診しましょう。

ノミアレルギー

ノミは動物の体表に寄生し吸血しますが、その際に針から出す唾液が強いかゆみを引き起こします。ノミはとくに室外に出ることがある猫に寄生しやすく、人にも被害を与えるので、必ず予防薬を使いましょう。

猫アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はホコリやダニ、花粉といったアレルゲンを吸い込んだり、皮膚に付着したりすることで発症します。1~3才の比較的若い猫に多く、年齢とともに重症化することもあるようです。

なお、いわゆる「猫アトピー性⽪膚炎」は詳しい病態がわかっていません。犬では研究が進み新薬が発売されていますが、猫ではまだ解明が難しい状況です。

食物アレルギーの症状と原因

見上げる猫たち
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

食物アレルギーの主な症状

食物アレルギーを発症すると強いかゆみを感じ、発疹や脱毛などの症状が現れます。猫の場合は頭・首・耳などにかゆみが現れることが多く、皮膚症状のほかにはウンチの量が増える、嘔吐や下痢をするといった消化器系の症状が出ることもあります。

アレルギーを起こす原因

どの食材にアレルギーを獲得するかは、曝露量の問題です。すなわち、食物アレルギーを起こしやすい個体が、腸の防御機能が未熟な幼少期などに多く接することがある食材に、アレルギーを発症する可能性が高まります。

そういった意味で、ペットフードによく使われる食材である、牛肉や小麦、家庭で子猫に与えがちな乳製品に食物アレルギーを起こすことが多いです。(なお、文献の報告では、猫での3大アレルゲンは牛肉、魚、鶏肉とされています。)

決して、牛肉や小麦、乳製品が食物アレルギーを引き起こしやすい危険な食材であるというわけではありません。

食品添加物はアレルギーを起こす原因になる?

キャットフードには長持ちさせるための人工保存料や着色料、香料が使用されていますが、これらがアレルギーを起こす原因にはほとんどなりません。多くの食品添加物は、アレルギーを起こす原因となるタンパク質を含まないためです。

ちなみに、食品添加物自体が猫にとって有害ではないかと心配する飼い主さんもいますが、キャットフードに使用する添加物の量は法律によって定められています。そのため、法律の範囲内であれば猫にとって安全であることが科学的に確認されています。

猫が口にしていい食材について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

【ランキングでわかる】おすすめキャットフードの評価・評判の真実|獣医師監修

食物アレルギーの診断と治療

手を舐めるMIXのオス猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

動物病院の診断法

一般的に食物アレルギーは、過去に食べたことがある食材に対して発症します。そのため動物病院では、まず食事歴や血液検査の結果から疑わしい食材を探します。

その結果を見て、過去に食べたことのない食材だけで作られた療法食や、体がアレルゲンと認識できないほど小さく分解したタンパク質で作られた療法食を与えて、症状が治れば食物アレルギーが強く疑われます。そして、疑わしい食材を1つずつ加えて再び症状が出たら、やはり食物アレルギーだということになります。

食物アレルギーは体質によるものなので予防が難しく、初期症状で気付くことが重要です。

診断された場合は特定原材料の排除を!

食物アレルギーがある場合は、アレルゲンを排除したゴハンを用意しなければなりません。なお、一般市販食は、食品のコンタミネーション(製造過程で原材料として使用していない異物が混入すること)がコントロールされていないため、現状は獣医師が推奨した療法食を使用します

食物アレルギーが疑われる場合は、正しくアレルゲンを避けられるよう獣医師の診察を受けて、獣医師の指導のもと食物アレルギー用の療法食を与えてください

療法食による治療の注意

食物アレルギーに対応した療法食を与えている際中に、おやつや人の食べ物といった療法食ではないものを与えてしまうと、食物アレルギーかどうか判断できなくなってしまいます。そのため、治療期間中は療法食以外、何も与えないようにしてください。

このとき、「食べもの」だけでなく、「飲みもの」にも注意が必要です。例えば牛乳にはタンパク質が含まれているため、影響が出ることがあります。飲み物は水だけにしましょう。

また、一緒に暮らす家族全員にこのことを周知し、知らない間に療法食以外を与えてしまったり、誤って食べ物を落として、猫が拾い食いしたりすることのないよう注意してください。

療法食の使用を勝手にやめてはダメ

食物アレルギーの確定診断である試験を行うには、療法食を一定期間継続して与える必要があります。そのため、その間は療法食を勝手にやめないようにしてください。食事が原因かどうかを調べるための試験ですから、療法食を与えても症状がよくならないこともあります。その場合には、食事以外に原因があるとして、治療を進めます。

ちなみに、診断の結果で療法食を与え続けることが推奨されるケースもありますが、アレルゲンとなる食材が特定できれば、それを含まない総合栄養食を与えるよう指示されることもあります。

アレルギーの予防効果は?飼い主さんの疑問に回答

窓の外を見つめる猫たち
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

機能性フードの予防効果はあるの?

「○○に配慮」「○○の健康」などと書かれた機能性フードは、健康を維持するための気になるポイントに留意したもので、病気の治療や予防のためのものではありません。もちろん、愛猫の気になるポイントを心に留めてフードを選ぶことはよいことですが、病気によって気を付けるポイントが異なります。
対策が的外れにならないよう、愛猫の体に心配がある場合は獣医師に相談しましょう。

「動物性」「植物性」タンパク質はどちらがいいの?

猫は肉食動物なので、フードの中のタンパク質や脂肪の割合が高いことがもとめられます。タンパク質や脂肪から得られるアミノ酸や脂肪酸は、動物性と植物性のどちらの原材料から確保しても、栄養バランスは異なるものの栄養素は同じです。重要なのは、食材のみを評価するのではなく、愛猫の健康に必要なキャットフードの栄養バランスを評価することです。

「グレインフリー」「グルテンフリー」のフードがいいって本当?

最近は「グレインフリー」や「グルテンフリー」などと書かれたキャットフードを目にすることがありますが、グレインフリーは穀物を避けたキャットフードのことを指し、グルテンフリーは穀物の中でも麦類を避けたフードのことを指します。

これらのフードは、穀物にアレルギーがある猫の場合は選択肢のひとつとなりますが、避けたほうがいいというものではありません。食物アレルギーの場合はアレルゲンを正しく排除することが必要なので、気になる症状がある場合には、本当に食物アレルギーなのかということも含めて獣医師に相談しましょう。

【2023年最新】キャットフード選びの参考に!人気ブランドランキング

器の前に座るMIXのオス猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
では最後に、「ねこのきもちアプリ」ユーザーが選ぶ、フードブランドランキングをご紹介します。
ドライフードブランドランキング
1位ロイヤルカナン ジャポン
ロイヤルカナン

世界各地に16カ所の工場があり、世界100カ国以上の市場で販売されている大手ペットフードメーカーです。
ロイヤルカナンは、愛犬と愛猫の“真の健康”を育むためのポイントとして、下記の5つを掲げています。

(1)犬と猫は人とは異なる動物であり、種類や個体によって身体的特徴・性格・行動やクセが違うことを理解して接する
(2)品種・年齢・サイズ・ライフスタイル・健康状態により栄養ニーズが異なることを理解し、適切な量の最適なフードを与える
(3)犬と猫は言葉を話せず、体調不良を隠す習性もあるため、日常的によく観察し適切な対応をとる
(4)犬と猫は人の4倍以上の早さで歳を取ることを理解し、定期的に健康診断を受けさせる
(5)正しい知識を持つ専門家に日常的に相談し、適切なアドバイスを得る

上記の考えに基づき、猫の成長段階別・サイズ別・猫種別のフード、さまざまな病気や症状に対応した療法食など、きめ細やかに愛猫の栄養ニーズを満たすペットフードを提供。さらに、ウェブ上のコンテンツや専門家の活動支援などを通じて、ペットオーナーが正しい知識・情報を得られる環境づくりも行っています。
2位ネスレ ピュリナ ペットケア
ピュリナ ワン

「ピュリナワン」は、 ペット専門栄養士による栄養設計で、健康6要素(理想的な体格/抵抗力の維持/健康的な骨格と関節/消化吸収性と便/皮膚・被毛の健康と目の輝き/健康な歯)に必要な栄養を、バランスよく満たしたプレミアムフードです。
3位ユニ・チャーム
銀のスプーン 三ツ星グルメ

大切な猫に「毎日大好きなものを食べて、毎日幸せでいてほしい」という想いが詰まったフードブランド。「銀のスプーン 三ツ星グルメ」は「銀のスプーン」から生まれた最上級の食事で、厳選された素材を使用し、贅沢な魚のうま味をギュッと詰め込んでいます。

【ランキングでわかる】おすすめキャットフードの評価・評判の真実|獣医師監修

獣医師と相談して、愛猫に合った食物アレルギー対策やアレルギー性皮膚炎対策の療法食を探してみてくださいね。
ランキング/2022年11月~12月「ねこのきもちアプリ」内調査(回答者数 625人)
※掲載商品はランクインしたブランドの一例を紹介しています。

監修/徳本一義先生(有限会社ハーモニー代表取締役)
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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