猫と暮らす
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獣医師監修|猫に与えてはダメな果物・与えてよい果物とは? 与える際の注意点も解説
猫が食べて大丈夫なもの、食べてはいけないものを把握していますか? 果物のなかには、猫が食べると命を脅かす危険なものもあるようです。猫に与えても大丈夫な果物と、与えてはいけない果物を、しっかり、チェックしておきましょう。
![](https://img.benesse-cms.jp/pet-cat/tag/image/normal/f6e3341b-9b07-4cca-b85f-a78dd54b5164.jpg?w=320&h=320&resize_type=cover)
佐野 忠士 先生
酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授
酪農学園大学附属動物医療センター集中治療科診療科長
日本獣医畜産大学(現 日本獣医生命科学大学)卒業
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻博士課程修了
北里大学獣医畜産学部および同大学獣医学部勤務
日本大学生物資源科学部獣医学科勤務
●資格:獣医師/博士(獣医学)/世界的獣医心肺蘇生ガイドラインインストラクター(RECOVER インストラクター)/CCRP
●所属:日本獣医麻酔外科学会/日本獣医学会/日本獣医師会/日本動物リハビリテーション学会/動物臨床医学研究所/日本麻酔科学会/日本臨床モニター学会
●主な診療科目:麻酔科/集中治療科
●書籍:『asBOOKS チームで取り組む獣医師動物看護師のためのICU管理超入門』/『as BOOKS チームで取り組む獣医師・動物看護師のための輸液超入門』/『動物看護師のための麻酔超入門・改訂版』 など多数
【ぶどう】与えたらNG! ぶどう中毒により急性腎不全を起こす危険あり
猫への安全性も確かめられておらず有害の可能性もあるので、与えないほうが安心。干しぶどうも同様です。
【パパイヤ、マンゴー】与えたらNG! アレルゲンになりやすい
【イチジク】与えたらNG! 皮膚炎を起こす危険性あり
【りんご】与えるときは注意が必要
抗酸化作用、整腸作用に期待。ただし、種や葉には有毒物質あり
ただし、りんごの種や葉には中毒症状を引き起こす「アミグダリン」という成分が含まれているので、猫の口に入らないように注意が必要です。さらに、食物繊維やカリウムなどの成分は、猫の体にメリットがある一方で、過剰摂取するとかえって体調不良をきたす恐れがあります。猫にりんごを与えるなら、与え過ぎないことが大切です。
猫にりんごを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日45g~53g(約1/4個~約3/10個)です。
【いちご】与えるときは注意が必要
整腸作用、抗酸化作用に期待。ただし過剰摂取は体調不良の原因に
猫にいちごを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で77g~91g(小粒約11個~13個)です。
【メロン】与えるときは注意が必要
水分補給に役立つ。ただし、中毒、アレルギーに注意。腎臓病や心臓病の猫にはNG!
ただしスイカ同様、カリウムが豊富なので、腎臓病や心臓疾患のある猫に与えるのはNGです。
また、口のなかの粘膜を刺激する「ククミシン」や、中毒を引き起こすと考えられている「ククルビタシン」という成分が含まれているので、愛猫がメロンを食べて下痢や嘔吐などの症状がみられた場合は、動物病院に連れて行ってください。
猫にメロンを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で60g~70g(中1/5個~大1/8個)です。
【みかん】与えるときは注意が必要
果肉のみ与えてOK。皮に含まれるリモネンによる中毒に注意!
猫にみかんを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で49g~57g(小約1個~小1+15/19個)です。
【バナナ】与えるときは注意が必要!
栄養価が高い果物。ただし、与え過ぎないよう注意して!
猫にバナナを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で60g~70g(中サイズ約5/7本~中サイズ約5/6本)です。
【桃】与えるときは注意が必要
アミグダリン中毒とアレルギーに注意
その一方で、種には中毒症状を引き起こす有毒物質「アミグダリン」が含まれているので、猫が種をかじらないよう注意が必要です。また、桃はバラ科の果物で、アレルギー食品のひとつです。まれにアナフィラキーショックを引き起こす場合があるので、りんごやさくらんぼにアレルギー反応を示す猫には、与えてはいけません。
猫に桃を与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で63g~74g(約2切)です。
【さくらんぼ】与えるときは注意が必要!
有毒物質を含む種には要注意!
ただし、さくらんぼの種には中毒の原因となるアミグダリンという有毒物質が含まれているので、猫がかじったりしないよう注意して!
猫にさくらんぼを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で37g~44g(4個~5個)です。
【パイナップル】与えるときは注意が必要
過剰摂取は消化不良や便秘、肥満の原因に、アレルギーにも注意!
猫にパイナップルを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で44g~52g(小3切~小3+1/2切)です。
【スイカ】適量なら与えてもOK
水分補給に役立つ。ただし、腎臓病や心臓病の猫にはNG!
ただし、スイカにはカリウムが多く含まれているため、腎臓や心臓に疾患がある猫には与えないでください。
猫にスイカを与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日58g~69g(3cm角にカットしたスイカ約2個分)です。
【梨】適量なら与えてOK
細かく刻んでから与えよう
猫に梨を与えるなら・・・
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日63g~74g(1/4個~1/3個)です。
果物には猫の命を脅かすものもあるので、注意して!
※食べ物を与えるときは、のどに詰まらないよう、細かく切るなど下処理をしてから与えてください。
※問題のない食材でも初めて口にしたときは下痢をしてしまうことも。様子をみながら、少しずつ与えましょう。
※どんな食べ物でもアレルギー症状を引き起こす可能性はあります。愛猫に与えて異変が出たら、ただちに与えるのをやめて、獣医さんに診てもらいましょう。
※この記事で「与えてはいけない食材」として紹介しているものが、猫用のフードの成分として含まれていることがありますが、食材そのままでなく、猫用に成分を調整するなど適切に加工されているので心配ありません。
今回紹介しきれなった果物については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
文/村田 典子
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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