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【獣医師監修】猫の爪とぎ器の選び方・慣れさせ方 家具や壁の爪とぎ防止法も

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爪とぎは猫にとって本能的な行動です。爪とぎには、マーキング・落ち着きたいなど、猫なりの理由があります。爪とぎに慣れさせる、猫が好む素材の爪とぎを用意するなど、してほしくない場所で爪とぎさせない工夫をしてみましょう。

この記事の監修

長谷川 諒 先生

 獣医師・潜水士
 Ani-vet代表
 往診専門 レイクタウンねこ診療所院長
 きたじま動物病院所属獣医師
 ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 北里大学獣医生化学研究室研究生在籍 研究テーマ「伴侶動物の鉄代謝」

●所属:国際猫医学会日本猫医学会日本獣医学会

●主な診療科目:内科(猫)/一般診療(外科、内科)/予防医療

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猫が爪とぎをする理由

まずは、猫が爪とぎをする理由を知っておきましょう。

(1)マーキングをしたいから

耳を反らせ周りを警戒しながら高所に爪とぎをする猫

マーキングとは、特定の場所などに自分のニオイをつけて縄張りを主張する習性のことを言います。猫が爪とぎでマーキングをするのは、ニオイが出る分泌腺が足の裏にあるためで、高所に爪跡を残すことや、その際に後ろ足で立ち上がるポーズも、一種のアピールだという説があります。

(2)爪のメンテナンスをしたいから

猫の爪は層になっていて、外側の古い爪が剥がれることで鋭さを保ちます。しかし飼い猫は、土の上を走ることもなければ、狩りもしないので自然に剥がれにくいです。ですから、メンテナンスの意味で、爪とぎをすることが多いと言えるでしょう。とくに若い猫は爪の伸びが早いので、頻繁にメンテナンスをします。

(3)気持ちを落ち着かせたいから

人が失敗すると頭を掻くように、猫も気持ちを落ち着かせようとするときに、爪とぎをすることがあります。これを猫の行動学では「転位行動」といいます。一説では、猫が転位行動の意味で爪とぎをするのは、自分のニオイで周囲を満たして、安心するためとも考えられています。ちなみに、毛づくろいにも転位行動の意味があります。

そのほかこんな理由も

ストレッチしたいから

猫も人のように、寝起きに伸びをしてストレッチします。爪をとぐ姿勢はそのストレッチと体勢が似ているので、ついでに爪をとぐのでしょう。ちなみに、飼い主さんの帰宅時に爪をとぐ猫が多いのは、それまで安心して熟睡していたという証でもあります。

爪とぎが遊び感覚だから

猫が困った爪とぎをする理由に多いのが、遊び感覚の爪とぎ。たとえば、壁で爪をとがれて怒ったつもりが、猫は「飼い主さんがかまってくれた」と認識している可能性もあります。人と暮らす、飼い猫ならではの爪とぎともいえます。

ストレスを発散したいから

たとえば、窓越しに外猫と対面したり、同居猫との関係があまりよくないと、爪とぎでイライラを鎮めようとすることがあります。室内環境を見直すなどすると、このストレスは軽減できるでしょう。

爪とぎ器の選び方や慣れさせ方

あなたの愛猫は、用意した爪とぎ器をきちんと使ってくれますか?もし、使わずに困った場所で爪とぎするなら、現在の爪とぎ環境が愛猫に合っていないのかもしれません。愛猫が好む爪とぎの傾向がわかれば、適切な対策ができます。

早い時期から爪とぎ器に慣らす

壁や家具で爪をといでそこに肉球から出るニオイがつくと、以後猫はそこを爪とぎの場所と認識してしまいます。早めに爪とぎ器で爪をとぐことに慣れさせてあげてください。

前足を持って立てかけた爪とぎ器に触れさせる

垂直方向に爪をとぐのはマーキング(ニオイづけ)の意味が強いので、猫の前足を持って、壁に立てかけた爪とぎ器に触れさせて。出入り口付近などの「縄張りの境目」に置けるのが理想。肉球のニオイがつき、その後もニオイをつけようとそこで爪をとぐようになります。
※爪とぎ器は倒れないように、ひもや粘着テープなどで固定しましょう。

床に置いた爪とぎ器にも同様に触れさせる

床に水平に置いた爪とぎ器にも、前足を触れさせてあげてください。ソファや壁に前足をかけるなど、猫が爪をとぎそうなしぐさを見せたら、爪とぎ器に連れていくのも有効な方法です。
また、爪とぎ器が動いてしまうと、爪とぎ時に猫がうまく踏ん張れません。滑り止めシートやテーブで、しっかり固定するといいでしょう。

猫が好む素材の爪とぎ器を用意する

一般的に猫は、子猫のときに馴染んだ爪とぎ素材を、成長してからも好むと言われています。たとえば柱でする猫は木材の硬い感触が、カーペットでする猫は柔らかいカーペットの感触が好きなのでしょう。
好みの素材の爪とぎ器を用意するだけで、壁や家具などやってほしくない場所での爪とぎがなくなったケースもあるようです。

カーペット
段ボール

困った場所で爪とぎをさせない工夫

爪とぎ器に工夫をしても困った爪とぎが続くなら、先手を打って、その場所に策を講じておくといいでしょう。まずは、爪とぎをそこでする理由を考えたり、猫の習性をうまく利用してみましょう。また、猫が気分転換できる場を増やせば、爪とぎが軽減できる場合もあります。

(1)爪とぎをしてしまう場所にくつろげる場所をつくる

猫は、人目につかない場所に寝床をつくり、そこではあまり爪とぎをしない習性があります。ですから、爪とぎをされたくない場所に、猫ベッドなどを置くと○。とぐ場所をふさぐという意味でも効果的です。

(2)爪が引っかかりにくい素材でカバーする

爪とぎされてこまる場所に、ツルツル素材のカバーやシートをかけましょう。猫の爪が引っかかりにくく、万が一爪をとがれても取り替えが可能です。
※写真はビニール製のテーブルクロスを使用

(3)ストレスを発散させる工夫をする

高所に猫の居場所をつくったり、遊ぶ回数を増やしたりと、猫がストレスを感じにくい工夫をしましょう。また、気をそらすという意味では、猫が爪をとぐ素振りを見せたら遊びに誘うのも一案です。

猫にとって爪とぎは、生きていく上で必要な行為なので、無理にやめさせようとするとストレスになります。猫の爪とぎというものを熟知したうえで、上手に付き合っていく方法・対策を見つけられるといいでしょう。愛猫を観察しながら、いろいろ試してみてください。

監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより

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