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【獣医師監修】猫がフードを食べないとき・フードを切り替えるときの対策

今回は、「猫が食べてくれないときはどうしたらいい?」というお悩みに寄り添います。病気の際には、療法食への切り替えが必要になることがありますが、なかなか食べてくれない場合も多いです。猫がおいしさを感じるしくみから、フードの食いつきをよくするための方法、嗜好性と好みの違いまで解説します。

猫がおいしさを感じるしくみ

まず、猫がどんなふうに食べ物を味わっているのかを知っておくと、フード選びのほか、食べてくれないときの工夫にも役立ちます。

猫は人に比べて嗅覚(きゅうかく) が発達しているため、まずニオイでおいしさをたっぷり感じとっています。お腹がすいたときには嗅覚が強まるようです。
味覚も、人と異なります。肉食の猫は、アミノ酸の違いを舌で識別できているようですが、一方、あまり必要ではない甘味を感じる力は失われています。腐敗に気づくための酸味を感じる力は強く備わっています。
そのほか、フードの口当たりにも好みがあり、一般的にウエットフードを好む猫が多いです。

猫がフードを食べないときの理由は?

キジトラの雪ちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫は離乳期の経験によってフードの好き嫌いが出やすく、高齢になると長年の経験から食べ物に対して頑固になる傾向があります。また、フードを切り替える必要があるとき、猫が新しいフードに満足感を感じられないことがあります。

とくに病気の際の療法食への切り替えは寿命を左右することもある重要なことなので、ストレスなく切り替えを成功させるための工夫をいくつか知っておきましょう。なお、療法食に薬を混ぜると嫌な食べ物だと思うようにもなるので、療法食で薬をごまかすことは避けてください。

猫にフードを食べてもらうための工夫

フードのおいしさをアップする食事加温法、猫に安心感を与えるためのふた皿並行給餌法、新旧混合法をご紹介します。

食事加温法

ウエットフード、とくに冷蔵していたものは、体温程度に温めるとニオイもたって風味がよくなります。ドライフードも、多少電子レンジで温めると風味アップにつながりますが、不信感から食べなくなる場合もあります。

ふた皿並行給餌法

新しいフードをいつもの皿に入れ、その横にこれまでのフードも出す。いつもの皿に新しいフードを入れることで、警戒心を抱きにくくなります。両方の皿とも1回分の量を入れておき、食べたらこれまでのフードを減らしていくことでうまく切り替えていきましょう。

新旧混合法

これまでのフードや好きなフードに、少しずつ新しいフードを混ぜていく方法です。 最初だけ、愛猫が好きな風味のフードを新しいフードに混ぜて、おいしさ作戦をプラスするのもいいですね。

フードの嗜好性の高さと個体の好みは別

茶トラの茶々くん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ペットフードは、食べてもらえるように、ニオイや味、質感などの工夫で嗜好性が高められています。食欲不振に陥ったときや療法食を受け入れてもらうためには、フードを与えるときの工夫でさらに嗜好性を高める必要があります。
ところが、どれほど嗜好性の高いフードでも、すべての猫が好んで食べてくれるわけではありません。個体によって好みに違いがあるからです。

動物は、ニオイ・味・温度や口当たりなどを、嗅覚・味覚・触覚で感じながら食べ物を味わっています。それらのうち、どんなニオイが好き、どんな口当たりが好みだといった愛猫の好みを日頃から観察しておくと、いざというときに生かせます。
近年の療法食は嗜好性が高くなっているので、徐々に切り替えるなどの工夫で切り替えは可能です。苦労はあるかもしれませんが、療法食で病状をコントロールすることの価値は大きいものです。根気強く取り組みましょう。
猫がフードを食べてくれないときの対策について解説しました。いざというときに、フードの切り替えなどをスムーズに行えるように、ふだんから愛猫を観察して好みを把握しておきましょう。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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