猫と暮らす
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【獣医師監修】猫がフードを食べないとき・フードを切り替えるときの対策
今回は、「猫が食べてくれないときはどうしたらいい?」というお悩みに寄り添います。病気の際には、療法食への切り替えが必要になることがありますが、なかなか食べてくれない場合も多いです。猫がおいしさを感じるしくみから、フードの食いつきをよくするための方法、嗜好性と好みの違いまで解説します。
長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
猫がおいしさを感じるしくみ
猫は人に比べて嗅覚(きゅうかく) が発達しているため、まずニオイでおいしさをたっぷり感じとっています。お腹がすいたときには嗅覚が強まるようです。
味覚も、人と異なります。肉食の猫は、アミノ酸の違いを舌で識別できているようですが、一方、あまり必要ではない甘味を感じる力は失われています。腐敗に気づくための酸味を感じる力は強く備わっています。
そのほか、フードの口当たりにも好みがあり、一般的にウエットフードを好む猫が多いです。
猫がフードを食べないときの理由は?
とくに病気の際の療法食への切り替えは寿命を左右することもある重要なことなので、ストレスなく切り替えを成功させるための工夫をいくつか知っておきましょう。なお、療法食に薬を混ぜると嫌な食べ物だと思うようにもなるので、療法食で薬をごまかすことは避けてください。
猫にフードを食べてもらうための工夫
食事加温法
ふた皿並行給餌法
新旧混合法
フードの嗜好性の高さと個体の好みは別
ところが、どれほど嗜好性の高いフードでも、すべての猫が好んで食べてくれるわけではありません。個体によって好みに違いがあるからです。
動物は、ニオイ・味・温度や口当たりなどを、嗅覚・味覚・触覚で感じながら食べ物を味わっています。それらのうち、どんなニオイが好き、どんな口当たりが好みだといった愛猫の好みを日頃から観察しておくと、いざというときに生かせます。
近年の療法食は嗜好性が高くなっているので、徐々に切り替えるなどの工夫で切り替えは可能です。苦労はあるかもしれませんが、療法食で病状をコントロールすることの価値は大きいものです。根気強く取り組みましょう。
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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