1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 猫が吐いたら~猫との暮らしの困りごと(3)

猫が吐いたら~猫との暮らしの困りごと(3)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫はなぜか吐きやすい動物というイメージがあります。いつ吐く・何を吐く・どこで吐く・何回吐くなど、ポイントごとにチェックします。また、吐いたものの見極め方や吐いたあとにすべきことなども併せて確認。嘔吐物を触ると病気・トラブルに繋がる場合もあるので要注意です。

猫の「吐く」、その傾向と理由って?

いつ吐く?

「起きがけ」「人の留守中」「食後」「初夏」
→空腹時や換毛期などが関係しています
猫も人のように、空腹で胃が空のときに胃酸が出続けると、気分が悪くなって嘔吐することが。人の不在時や寝起きに吐くのはそのためです。食後の嘔吐は、主に空腹からの早食いが原因。また、換毛期の初夏や秋口は、飲み込む抜け毛の量が多くなるぶん、胃の不快感も増します。

何を吐く?

「フード」「胃液「ねこ草」「毛玉」「おもちゃなどの破片」
→胃が小さいことが理由のひとつです
猫は運動性や体の構造の都合で、胃が小さめ(写真参照)。食事は小分けに取るスタイル(不断給餌)でもあったので、胃の容量もさほど必要なかったのでしょう。ですから、一気にフードを食べると吐いたり、逆に空腹時間が長すぎると胃液を吐くことが。ねこ草や毛玉は、便で排出されずに胃に残ると、吐き出す場合があります。

どこで吐く?

「家具の陰」「部屋の隅」「カーペット」「食事場のまわり」
→身を隠せる、安全な場所を選ぶ傾向が
猫は警戒心が強く、かつ単独行動をする動物。「死に際は姿を隠す」なんて話もあるように、自分が弱っていることを周りに悟られにくい場所を選ぶ習性が。嘔吐も、人目を気にせず、ひっそりとした場所がいいのでしょう。また、食事場周辺で吐くのは、食後すぐに吐く猫が多いからです。

何回吐く?

「1、2回」「3回続けて」「時間をおいて10回程」
→3回までなら、生理現象といえます
回数に明白な理由や原因はありませんが、人と同様、猫も一度では吐ききれないことが。年齢などにもよりますが、3回程度なら平気でしょう。ただ、それ以上に吐くなら、“本当に吐きたいもの”がなかなか出なくて吐いているのかも。また、何度も吐くと胃酸で食堂が荒れる心配も。

吐いたものの見極め方

まずは色と内容物の確認を。少しでも不安なら受診して

愛猫が吐いたときは、まず嘔吐物の内容を確認して。原因を見つける一番の手掛かりになります。明らかに色がおかしい場合や、異物が混じっている場合は危険のサイン。吐いたものにおかしな点が見られなくても、猫の様子がおかしい場合は、自己判断はせず、かかりつけの獣医師に相談して。

吐いたあとの猫の様子

・瞬膜が出たままぐったりしている(瞬膜とは、目頭にある白い保護膜のこと。少し出ているだけだったり、出てもすぐ引っ込めば正常ですが、体調不良だと出たままになることが)
・食欲がない
・物陰などに隠れて出てこない
・触ろうとすると嫌がる
・口臭がある
・1日に4回以上吐く

吐いたものの様子

・血が混じっている

吐きすぎや胃液の逆流によって食道周りが荒れて傷ついていたり、血の量が多いときは重篤な病気の可能性も。

・異物が混じっている

消化できない固形物を口にしてしまった可能性が。部分的に体内に残っている場合や、消化管が傷ついている危険も。

・明らかに異臭がする

小腸まで進んだものを吐き出していると、便臭がします。危険な液体を口にしてしまった場合にも異臭がすることが。

急は要しませんが原因を探って対処しましょう

一概にはいえませんが、生理現象で吐くときは、猫が元気であれば、深刻な病気の心配は少ないでしょう。しかし、どんな嘔吐でも、猫の体に負担がかかることに変わりはありません。原因別に吐かせないよう対策をして、負担を軽くしてあげましょう。

吐いた後の猫の様子

・すぐに食事をとる
・遊びの誘いにのる
・毛づくろいなどしてくつろいでいる

吐いたものの様子

・未消化・消化中のフード

食べたフードの種類や消化具合、消化管にあった時間の長さによって、見た目が異なります。

・胃液

白い泡が混じっていることも。水を飲んだあとに吐いた場合、水も混じっていて、量が多い場合があります。

・毛玉

飲み込んだ毛の長さや色によって、見た目や量は違います。写真は、白い毛にフードも混じって、少し茶色になっています。

・ねこ草

ねこ草には、毛玉を吐くのを促す作用があるといわれています。写真の嘔吐物にも、少し飲み込んだ毛が混じっています。

様子見でも油断しないで

時間をおいて見られる危険なサインもあります

吐いたあと、愛猫の様子が元気そうに見えても、次の様子が見られたら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。病気の疑いがあります。

1日経ってもウンチが出ていない

腸が詰まっているなど、胃より下の部分にトラブルがあるために、嘔吐している可能性があります。さらに時間が経つと、便臭がするものを吐く場合も。

未消化のフードをよく吐く、1回の食事量が減った

異物が詰まるなどして食道が細くなると、食べ物が胃まで届かない場合が。そのため未消化のフードが食道にたまり、吐いてしまっている可能性があります。

愛猫が吐いたらすべきこと

受診が必要な場合

猫が落ち着いたら嘔吐物を持って動物病院へ

嘔吐の原因を探るには、実物を見るのが一番。受診時には、実物を持参するとスムーズ。難しい場合も、写真やメモを持っていくと○。また、猫を連れていく際にはキャリーケースはなるべく揺らさないで。誤嚥(残った嘔吐物が気管や肺に入ってしまう)の危険あり。

様子見の場合

その後異変がないか、しばらく様子を見守って

不安が少ない嘔吐でも、吐いた直後の猫は疲れているのでなるべくそっとしておきましょう。また、吐くと口の中が不快になったり、のどが渇いたりするので、飲み水も用意してあげて。環境を整えたら、経過を見守ります。

〔NG〕背中をさすると誤嚥の原因に

人は吐き気がするとき、背中をさすられると気分が楽になることもありますが、猫はさすると誤嚥の危険があります。もともと、気分がよくないときは触られるのも嫌う動物なので、余計に猫の負担になってしまいます。

「吐く」が代表的な病気・トラブル

誤食

嘔吐で来院した猫の約4割は、誤食が原因。獲物を思わせるものを見ると、つい口にしてしまうことのある猫。中でも多いのがヒモ類の誤食。吐いて全てを出しきれない場合、胃腸内で絡まると臓器の炎症や壊死につながります。

毛球症

毛球症は、毛づくろいで飲みこんだ毛が、吐き出せないくらいの大きな塊になって、胃腸に停留してしまう病気。比較的長毛猫がなりやすいですが、同居猫の毛づくろいをすることが多い猫も要注意。重篤の場合は、開腹手術が必要になることも。

寄生虫症

嘔吐の原因は主に腸にすみ着く回虫や条虫。元外猫や、子猫に比較的多い傾向。ヒモのような虫や、小さな卵を吐く場合があります。また、下痢を伴うことも。治療は、内服薬などの駆除剤で行います。

甲状腺機能亢進症

のど元の甲状腺からホルモンが過剰に分泌されて代謝が上がるせいで、活発になったり痩せたりする病気。シニア猫に発症が多い。心拍数も上がるため、心臓病を併発する可能性が。

そのほか
・食べ物アレルギー・中毒
・悪性リンパ腫
・尿毒症
・膵炎
・便秘
・ストレス など

吐いたもの別 対策法

フード・胃液を吐く

胃腸に負担がかからないよう食事を与えましょう

フードや胃液を吐く場合、大半は空腹が原因です。胃に何もなくて胃液を吐く、急にフードを食べて胃が驚いてフードを吐くなどのケースが考えられます。猫本来の、少しずつ食べるスタイルを食事の仕方に取り入れれば、嘔吐を減らせるでしょう。

食事場に高さを出す

食道が狭くてフードを吐くと診断された場合は、猫を2足立ちさせて食事を与える方法も。食道が床に対して垂直に近くなるので、重力の助けもあって、胃にフードが通りやすくなります。

フードを小分けにする

あるだけ食べてしまう猫に有効です。与える回数を分けてもいいですし、小分けにしてあちこちに置くのも○。“胃の休憩時間”ができますし、猫も“楽しい時間”が増えて、満足するでしょう。

一気食い防止のグッズを使う

最近では、時間をかけて食べる工夫が施されたフードボウルも。食べにくい構造が、猫に「どうしたら上手に食べられるかな?」と考えさせるため、知育発達の一貫にもなります。

ねこ草を吐く

与える場合は少量に。食べるたび吐くなら与えないで

ねこ草は、嗜好性も高いので好む猫は多いですが、与えすぎには注意して。与える際は鉢から直接ではなく、手から数本与えるなどして、猫が食べる量を飼い主さんが管理するといいでしょう。与えるたびに吐くようであれば、与えない方がベターです。

異物を吐く

誤食しそうなものは片付けを徹底しましょう

猫の口に入る小さなものは、片付けを徹底して。「“ちょいちょい”している程度だし平気かな」と思っていても、つい口にしてしまうこともあります。特におもちゃや、猫が誤食しやすいものは、猫が届かない高い場所や、開けられない引き出しなどにしまいましょう。

毛玉を吐く

抜け毛は、飲み込む前に取り除いてあげて

猫の舌は、トゲがあってブラシのようになっているため、毛づくろいすると抜け毛を飲み込んでしまいます。猫が自分で“ブラッシング”する前に、抜け毛を取り除いてあげて。また、飲み込んでしまった抜け毛に対しては、専用のケア商品などで排出を促す工夫をするといいでしょう。

ブラッシングを習慣にする

毎日ブラッシングをしましょう。苦手な猫には、なでると喜びやすい額や腰からそっと始めても○。とくに長毛猫は毎日行えば、飲み込む毛量とともに、毛の絡まりも軽減することができます。
・ブラッシングの目安: 長毛猫…2回以上、短毛猫…1回

ストレスで吐く

ストレスの根源をなくすか、発散させる工夫を

ストレスといっても、内容はさまざまですが、多くは環境の変化に対するもの。可能なら以前の環境に戻すか、無理なら猫だけでくつろげる空間づくりができると○。たまったストレスは、遊びなどで発散させてあげましょう。

上下運動を取り入れる

猫は上下運動が大好きです。遊ぶだけでもストレス発散になりますが、ジャンプを意識した遊びを取り入れるとさらに○。目安として、1日5分は遊んであげて。

同居猫と居場所を分ける

猫をもう一匹迎えた直後や、猫同士の仲があまりよくないときは、気が休まる場所がなくて吐いてしまうことも。それぞれの部屋を分けてあげましょう。

病気で吐く

獣医師の診断にしたがって正しく投薬を

病気の場合は、適量の薬を獣医師の指示どおりに与えることが一番大切。「猫が嫌がるから」と量を独断で加減すると、病気も嘔吐もなかなか治りません。どうしても投薬できないときは、薬の形状や種類を替えられる場合もあるので、獣医師に相談を。

【Q&A】「吐く」の疑問

Q 吐く仕草はするけど吐かない愛猫…平気?

A「空嘔吐」です。口周りに炎症を起こしているかも

空嘔吐は、毛玉などを吐き出したくても出ないときに見られることがあります。そのほかにも、口に違和感があってすることが。口をチェックしてみて、赤みや異臭があったら、のどの炎症や、口内炎、歯肉炎を患っている可能性があります。

Q 吐いたものを食べてしまっても問題ない?

A 食欲があるのは○。ただしなるべく食べさせないで

猫が、吐いたものを食べようとするくらい元気なようなら、とりあえずは安心でしょう。ただ、吐いたものには胃酸が混じっているかもしれませんし、寄生虫などがいたら大変です。嘔吐物を見つけたら、すぐに片付けましょう。

Q 嘔吐物を触っても平気? 感染症の心配は?

A 感染症のリスクは充分あります。極力触らないで

猫が吐いた原因によっては、嘔吐物自体も病気の感染源になります。病気によっては、猫から人にうつる可能性も。また、衛生的な意味でも、直に触らないように気を付けて、なるべく早く掃除を。

合わせて読みたい

“吐いた!”であわてないために、知っておきたい役立ち情報が満載。
毎号ふろく付きでご自宅へお届けします。『ねこのきもち』最新号はこちら

猫と暮らす

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着記事

新着記事をもっと見る