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【獣医師監修】猫への水の与え方 与える量や水の種類・注意点は?

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乾燥地帯での生活をルーツにもつ猫は、あまり水を飲まなくても生活できます。しかし、そんな猫でも、生きていくうえで水は大切です。また、猫の体は約70%が水分でできているので、生命を維持するためにも水分摂取は大切だといえるでしょう。この記事では、猫への水の与え方について、基本的な知識をご紹介します。

この記事の監修

長谷川 諒 先生

 獣医師・潜水士
 Ani-vet代表
 往診専門 レイクタウンねこ診療所院長

きたじま動物病院所属獣医師

シュシュキャットクリニック所属獣医師
 ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 北里大学獣医生化学研究室研究生在籍 研究テーマ「伴侶動物の鉄代謝」

●所属:国際猫医学会日本猫医学会日本獣医学会

●主な診療科目:内科(猫)/一般診療(外科、内科)/予防医療

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猫にとって水が大切な理由と基本の与え方

まずは、猫に水が必要な理由と、基本的な与え方を知っておきましょう。

「水」は動物の生命維持に最も不可欠なもの

動物は、体脂肪のほぼすべてと、たんぱく質の半分を失っても生きることができるといわれていますが、水分は15%失うと生きることができません。水は、あらゆる栄養素の中で最も重要と言えます。
動物が1日に必要とする水分量(ml)は、その動物が1日あたりの必要なエネルギー要求量(Kcal)とほぼ同じですが、年齢・基礎疾患の有無・下痢や嘔吐の有無などによっても異なります。

猫への水の与え方

猫は野生時代、半砂漠地帯に住んでいた名残で、少量の飲み水でも暮らせる体質ですが、水分摂取は必要不可欠です。新鮮な水がいつでも飲める環境を用意するとともに、愛猫が1日に飲む水の量を把握して、異常に気づいたら動物病院で診てもらいましょう。飲む量の急な増減は、病気の兆候のひとつです。
水は、1日1回は必ず取り替えましょう。適切な食事と水を与えることで、膀胱炎など泌尿器疾患の予防にもつながります。

与える水は水道水でも大丈夫ですが、ミネラルウォーターの場合はその性質に注意しましょう。硬水の場合、猫がなりやすい病気のひとつ、尿石症の原因となるマグネシウムなども多く含まれています。

猫に多い水へのこだわり

猫は、水へのこだわりが強いといわれる動物です。水の質や温度、器の素材にも好みが出るので、愛猫はどんな水が好きか、まずはいろいろ試してみましょう。水の好みがわかったら、猫の動線上にいくつか水飲み場を設置するなどして、水を飲む機会を増やしてあげるといいでしょう。

「この水は安全」と思えた水だけを飲む

単独行動で、自分の身は自分で守らなくてはいけなかった野生時代の猫。この経験から、猫は「この水は安全」と思えた水だけを飲む傾向にあります。猫の、水へのこだわりは警戒心の強さからなのです。
そのため、水を飲む際に、先に水面を触ったり、念入りにニオイを嗅いだりする猫もいます。猫は鼻もよく、水の味もわかるので、その猫が自分で好きだ、安全だと思える水を選んで飲んでいるのでしょう。
これらが「猫は水にこだわりが強い」といわれる由縁です。

体温程度の水を好む

野生時代、猫は生肉しか食べていなかったので、獲れたての肉=動物の体温程度のぬるま湯が好きな猫も多いようです。ただし暑い季節には氷水を好む猫もいるので、愛猫の嗜好を観察して理解してあげましょう。

容器の素材や形にこだわる猫も

猫によっては、水が入っている容器も選り好みします。好きな猫が比較的多いといわれているのが、陶製の器。舌触りや風味がまろやかになっているという説があります。
また、ひげは大切な感覚器官なので、水を飲むときに濡れるのを嫌がる猫も。飲み口が広い水飲みボウルは、ひげを濡らさず快適に飲めるので好む猫が多いようです。

猫と水に関するQ&A

【Q】水道水と浄水、どちらがいいの?
【A】どちらでもOKです。基本的には水道水で構わないのですが、猫が塩素のニオイを気にするタイプなら、浄水のほうがよく飲むかもしれません。どちらの場合も猫の食事のタイミングで器をきれいに洗い、水を入れ替えましょう。ただし、特定のミネラルを添加するタイプの浄水器の水は避けてください。

【Q】猫に与えてはいけない水は?
【A】不衛生な水や、ミネラル含有量が多い水は与えないでください。雑菌やカビなどが繁殖している可能性がある、たまり水などは当然NGです。また、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分を多く含む水も飲ませないでください。とくに硬水のミネラルウォーターは猫には不向きです。
また、お米のとぎ汁もNGです。まれに好む猫がいますが、ミネラル含有量が多いので飲ませないほうが無難です。

【Q】猫の標準的な飲水量はどれくらい?
【A】食事内容などによって異なりますが、目安は体重3kgの猫が1日に必要とする水分量を計算すると160cc程度です。ただし、これには食事からとる水分も含まれます。また、環境・年齢・体調によっても異なります。愛猫の適正量を知りたい場合は、主治医に相談してみてください。

【Q】飲水量はどうやってチェックすればいいの?
【A】与える前後に水を量って比較して。器に入れた水の量と、猫が飲み残した水の量を比較するだけでOKです。一定量の水を器に入れ、水を入れ替える際、猫が飲み残した水を量ります。その差がおよその飲水量になります。

【Q】複数飼いの猫の場合はどうやって水をあげればいいの?
【A】最低限、匹数分の飲み水を用意してあげましょう。それぞれを離して置いてください。 猫同士の関係性によっては、相手のニオイが付いた水を飲むのを嫌がる猫もいます。そのため、猫たちが、自分の水を確保できるよう、最低限でも匹数分の飲み水を用意するのがベター。また、苦手な猫が近くにいると飲むのを我慢してしまうこともあるので、器は距離を離して置くといいでしょう。その他、猫たちが好きな素材の器を使うとよいでしょう。

【Q】飼い主が留守がちの場合は何を注意すればいいの?
【A】水飲みボウルに容量の大きい、重い器を使いましょう。猫の飲み水を切らさないようにしましょう。そのためには、たっぷりの水を用意しておくのはもちろんのこと、器が倒れてしまわないよう、重さがあって安定感のあるものを用いるといいでしょう。その他、器の下に滑り止めシートを敷いたり、複数個所に水飲み場をつくったりするなどもいいでしょう。

【Q】猫が水のニオイを執拗に嗅ぐ場合はどうしたらいいの?
【A】自動給水器を使ってみましょう。ニオイを嗅ぐということは、その水の汚れやカルキ臭を気にしているのかもしれません。水を循環させ、フィルターで不純物をろ過する機能がある自動給水器を使えば、それらを軽減できるでしょう。

【Q】飲む量や回数が少ない場合はどうしたらいいの?
【A】ウエットフードも与えてみましょう。一度に飲む量や回数は、猫のよってさまざま。その個性を変えるのは難しいので、フードで水分をとらせるのも手です。ふだん与えている食事の一部を、ウエットフードに替えてみましょう。ウエットフードは嗜好性が高く、また水分が約80%も含まれているので、水分摂取量を増やすことができます。
そのほか複数個所に水飲み場を作る、猫の導線に飲み水を置くなどもよいでしょう。複数個所に水飲み場があると、猫の気が向いたときに近くの水を飲みやすいようです。

【Q】夏場とくに気をつけてあげることは?
【A】熱中症になりやすい時期なので工夫をしてあげましょう
暑いからといって、水飲みボウルに氷を入れておくだけでは対策としては不十分。水の温度にこだわる猫は意外と多いもの。常温の水や氷を入れた水をいくつか置いて、猫がよく飲む温度を探してあげましょう。暑いと雑菌が繁殖しやすくなるので、こまめに取り替えることも忘れないでください。

監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより

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