猫と暮らす
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【獣医師監修】猫の食事・水の基本 年代別のフードの量と正しい与え方
猫が生きていくうえで大切なものの1つが「食事」です。一生にわたって猫の生命や健康に深く関わるので、一定の食欲をキープできるよう配慮したいですね。この記事では、年代に合ったフード選びのポイントや、正しい与え方について解説します。
長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
年代別のフードの与え方
まず、フードはゆっくり食べさせるのが基本です。猫の体に負担をかけず、スムーズに消化させるようにしましょう。
一気食いする猫には、消化しやすいように、1日のフード量を変えずに、小分けをして与えるといいでしょう。また早食いを防止するフードボウルやおもちゃを使ってみてもいいでしょう。
ドライフード、ウエットフード、それぞれのメリットや特徴があるので、使い分けられるように、両方を食べることに慣れさせましょう。
2カ月までの子猫は、離乳食の切り替え方も参考にしてください。
【子猫期1】生後すぐ~2カ月 「ミルク」から「子猫用ドライフード」に
授乳期の子猫へのミルクの与え方については、こちらを参考にしてください。
【子猫期2】生後2カ月〜1才前後 「子猫期用フード」
子猫期は急激に成長する時期です。それを助けるため、筋肉をつくるタンパク質と、歯・骨など身体の形成に関わるミネラルが多く必要です。そのためドライフードでは100g当たり380〜440kcalと、成猫用より10%程度高いカロリー量になっています。ちなみに子猫用ドライは食べやすいように粒が薄めか小さめのものがおすすめです。
生後6カ月を過ぎると成長がゆるやかになりますが、まだたんぱく質が多く必要な時期です。1才までは基本的には高たんぱくの子猫用フードを与えましょう。
1才からは成猫用に切り替えてください。ただし去勢・不妊手術後は太りやすい傾向にあるため、体重増加が気になったら獣医さんと相談して、早めに成猫用に切り替えてもいいでしょう。
成長期は、バランスよく成長に必要なエネルギーと栄養がとれるものを選ぶのがポイントです。
【成猫期】1才前後〜7才前後 「成猫期用フード」
成猫期用のフードはタンパク質、脂肪、ミネラル、ビタミンなど、猫に必要な栄養をバランスよく含んでいます。体重維持が目的なので、ドライフードの代謝エネルギーは、子猫用よりも少ない100g当たり350〜430kcal前後が一般的です。毛玉対策や肥満予防など+αの機能つきフードもあります。
避妊・去勢をするとそれまでより必要なエネルギー量が減り太りやすくなるため、肥満の予防は成猫期の重要なポイントです。
【シニア期】7才~ 「消化がよく体重管理ができるフード」
シニア期は、消化がよく、体に負担をかけず体重管理ができるものを選ぶのがポイントです。
フードの選び方・与える量・保存方法
ドライフードとウエットフードの特長
「ドライフード」は製造過程で素材を細かくしているので消化しやすいものが多いのが特長です。水分量が少なく栄養が凝縮されているので、食の細い猫でも少量から必要な栄養とエネルギーをとることができます。乾燥しているので、密閉していれば比較的保存がききやすいのもメリットです。
一方、約80%が水分の「ウエットフード」では、ドライフードと同じエネルギーをとる場合でも、水分でかさが増している分、ドライフードよりも満腹感が得やすく、食欲旺盛の猫向きといえるでしょう。
日常的に与えやすい「ドライフード」では食いつきがよくないときには、嗜好性の高い「ウエットフード」をプラスするのもいいでしょう。「ドライフード」と「ウエットフード」ともに、総合栄養食であれば、1日に与えるエネルギー量の範囲内で、好きな割合で混ぜてもOKです。
また、飲水量が少ないときには「ウエットフード」を与えて水分を摂れるようにするなど、体調の変化に合わせてフードの種類を使い分けましょう。
パッケージ表示の確認方法
- 「総合栄養食」かどうか
- 年齢や目的が愛猫に合っているか
- エネルギー量が愛猫にあっているか
- マグネシウム量が配慮されているか。栄養成分にあるマグネシウムの量が多すぎると、尿石症などいわゆるオシッコの病気の原因になることも
- 肉や魚が原材料の上位に記載されているか
- 賞味期限はいつまでか
フードを与える量
体重の増減があったら、フードをほんの少しずつ加減してみましょう。毎日与えるフードは、少量でも重さがわかりやすい「デジタル計量器」を使うと便利です。詳しくは、以下の記事で紹介しています。
フードの保存方法
「ドライフード」は、湿度の高い場所で保存をすると、微生物やカビなどが繁殖しやすいので避けてください。また脂肪酸などの成分が酸化しやすいので、開封したらできるだけ空気が残らないように、しっかりと封をして冷暗所で保存しましょう。結露をしてカビが生えるおそれがあるため、冷蔵庫には入れないでください。
「ウエットフード」は、開封後に傷むのが早いのが特徴です。1回で使い切れないときは冷蔵庫で保管し、1~2日中に使い切りましょう。やむを得ない場合には冷凍保存してください。
ウエットフードの保存の仕方
ドライフードの保存の仕方
猫のフードの切り替え方
フードの切り替えは1週間ほどかけて、「食べ慣れたフードに新しいフードを混ぜて」徐々に替えましょう。1日ごとにこれまでのフードを「7分の1」ずつ減らすとともに、新しいフードを「7分の1ずつ」割合を増やしていき、1週間後、新しいフードに切り替わるようにしていきます。
猫目線で叶えてあげたい食事・水の基本
毎日新鮮なフードと水をあげる
開封したフードは密閉して劣化を防ぎましょう。飲み水は、毎日最低1回は交換しましょう。
食事場所はトイレから離れた場所にする
食べやすい工夫をしてあげる
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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