猫のチャームポイントのひとつでもある「しっぽ」。そんなしっぽは、猫が感情を伝える大切な「ツール」のひとつなのだとか。今回は、見ているだけで愛おしい猫のしっぽが、特徴的な動きを見せるその理由にせまります!
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バリエーションが豊富!猫のしっぽに見られる変化
多くの骨と筋肉から構成されるしっぽは、とても敏感な部位です。形や角度、動きの速さなど変化のバリエーションが豊富で、飼い主さんから見ても気持ちが読み取りやすい場所といえるでしょう。なかでも、興奮や恐怖などの気持ちが表れやすい傾向に。
ここからは、猫のしっぽの「角度」「形」「しぐさ」からわかる猫の気持ちについて、くわしく解説していきます!
しっぽの「角度」でわかる猫の気持ち4つ
①水平か、やや下方に伸びる→「平常心」
猫が平常心でいるときはしっぽの力がほどよく抜けています。そのため、立っているときには、水平かやや下方に伸びている状態に。座っている場合は、床に伸びた状態になっています。
②上にピンと伸びる→「上機嫌」
機嫌がよいときには、気分の高揚からしっぽの先まで力が入り、まっすぐ上向きに立てる場合が多いようです。このとき、腰やお尻が上がることも。
飼い主さんを出迎える際や、ゴハンをもらえるときなどに見られることが多いですが、「ここにいるよ」「かまってほしい!」などといったアピールサインの場合もあります。
【豆知識】気持ちが強いほど、先端だけが震える!
最高潮に嬉しい気分のときは、さらに力が入って、しっぽの先端をぷるぷるっと小さく震わせることがあります。
猫のしっぽが上がっているときの気持ちについては、こちらの記事も参考にしてください。
③体に巻き込む、体に沿う→「恐怖、緊張」
猫は恐怖や緊張を感じると、しっぽを体に巻いたり、体に寄せたりします。また、お腹の下にしっぽを隠してしまうことも。
たとえば、動物病院の診察台にのったり、抱っこされたりしたときに見られやすいです。これは、肛門周りにふたをしてニオイを消し、敵から身を守る役割もあります。
猫のしっぽが体に巻き付いているときの気持ちは、こちらの記事も参考にしてください。
④根元が上がり、先が垂れる→「怒り、攻撃」
強気で「怒ったぞ!」「攻撃するぞ!」とアピールするときは、しっぽが弓なりになります。猫同士で、優位な方が力を誇示するためにすることが多いようです。
形が変わる!?しっぽが膨らんだときの猫の気持ち
膨らむ→「驚き、抵抗」
驚いて緊張が高まったり、抵抗する気持ちが表れたりする場合に、全身に力が入りしっぽが大きく膨らみます。猫同士の場合は、体を大きく見せて相手を威嚇する意味も。
「怖いけど負けないぞ!」という意思表示をしていることがあります。
【豆知識】気持ちが強いほど、ぶわっと大きく膨らむ!
緊張の度合いとしっぽの膨らみは比例します。また、毛が逆立つため、短毛猫よりも長毛猫のほうがわかりやすく、変化を感じやすいでしょう。
猫のしっぽが膨らんだときの気持ちについては、こちらの記事も参考にしてください。
しっぽの「しぐさ」でわかる猫の気持ち3つ
①先だけをパタパタ振る→「興味、迷い」
窓の外に気になるものがあったときなど、しっぽの先だけをパタパタと振ることがあります。これは、気になりながらも、行こうかどうしようか迷っているときに見られます。
名前を呼ばれたときに、返事代わりにしっぽを振ることも。
②力強くブンブン振る→「不満」
なにか不満があったり、イライラしていたりすると、猫はしっぽを半分くらい曲げて、上下に振って床に叩き付けます。これは、思い通りにならない苛立ちを解消するためのよう。
ゴハンのときに「早く〜!」とアピールするときなどに見られます。
獲物のようなものが近くにあるときは、「捕まえたい!」という緊張感が表れていることも。
【豆知識】気持ちが強いほど、音を立てながら叩き付ける!
苛立ちがつのると、しっぽを叩き付けて音を立て、相手に気付かせようとしているという説も。苛立つほど、叩き付けるテンポも速くなります。
③ゆっくりユラユラ振る→「リラックス」
穏やかな気持ちのときは、それを表すかのように、ゆったりとしっぽを左右に揺らします。飼い主さんに抱っこされたり、日向ぼっこしたりしているときに見られることも。
「満足しているよ」「ご機嫌だよ!」といった、ポジティブな感情が表れているでしょう。
力が入っていないため、くねらせながら揺らす場合もあります。
しっぽが短いorない猫の場合は、どこを見ればいいの?
しっぽが短い猫でも、気持ちはしっぽの神経と連動します。しっぽの付け根は、しっぽの長い猫と同じ動きをするので、その猫なりのわずかな動きを観察しましょう。
しっぽから感情を読み取ってより良いコミュニケーションを
しっぽの「角度」「形」「しぐさ」から見える、猫の感情を紐解いていきました。ご紹介したしっぽの特徴をヒントに、愛猫の心と向き合うことで、さらに飼い主さんと愛猫の気持ちが通じ合うことを祈っています。
猫のしっぽに関しては、次の記事も参考にしてみてくださいね。
参考・写真/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』
参考/「ねこのきもち」2018年7月号『いつまでも眺めていたいな 癒しっぽ』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/いちのへ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。