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【獣医師監修】猫に与えてはダメな野菜・与えてよい野菜とは? 与える際の注意点も解説

猫に与えてよい野菜と、与えてはいけない野菜があることを知っていますか? 野菜によっては、猫が食べると危険なものもあります。愛猫の命を守るために、与えてよい野菜とダメな野菜、与える場合の注意点をしっかりチェックしておきましょう。

佐野 忠士 先生

新鮮なフルーツと野菜
AlexRaths/gettyimages

【玉ねぎ・長ねぎ・にら】与えたらNG! ほんの少しでも「ねぎ中毒」の危険あり!

玉ねぎ、ねぎ、にらなど「ねぎ科」の野菜は、猫に食べさせてはいけません。
猫が食べると、「ねぎ中毒」を起こし、下痢や嘔吐、血尿などさまざまな症状が現れます。重篤になれば命を落とすことにも。ほんの少し舐めただけでも中毒症状をきたす場合があるので、微量でも与えてはいけません。

【春菊】与えたらNG! 尿石症の原因になることも

春菊やほうれん草などの、アクが出る野菜にはシュウ酸が含まれています。シュウ酸は、摂り過ぎると、尿石症になる恐れがあるので与えないほうが無難でしょう。尿路結石症が心配される猫にはNGです。

【とうもろこし】与えるときは注意が必要

猫の体に直接害を及ぼす成分は含まれていなくても、食べ方や食べる量、猫の体調や体質によっては健康を害するものもあります。とうもろこしも、そのひとつです。

カロリーオーバーやアレルギーに注意して!

とうもろこしには、猫が中毒を起こすような物質は含まれていないため、市販のキャットフードにはとうもろこしが原料に使われているものがあります。
ただし、高カロリーなので過剰摂取は肥満や糖尿病などの原因になる可能性が。また、穀類アレルギーやでんぷんアレルギーのある猫には、とうもろこしを与えてはいけません。

猫にとうもろこしを与えるなら・・・

茹でる、蒸す、電子レンジで加熱するなどして、芯から実を外し、薄皮ごと細かく刻むか、薄皮ごとすり潰してペースト状にしてからフードにトッピングしましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日27g~32g(1/7本~1/5本)です。

【トマト】与えるときは注意が必要

基本的には猫が食べても大丈夫な野菜であっても、部分的に中毒を起こしかねない成分が含まれている野菜もあります。トマトもそのひとつで、与える際には少し注意が必要です。

基本的には大丈夫。ただし、中毒成分「トマチン」に注意!

市販されている真っ赤に熟したトマトであれば、基本的には猫に与えても問題ありません。ただし、トマトの葉や茎、未成熟の青いトマトには、猫が中毒を起こす成分が含まれているので、注意が必要です。

猫にトマトを与えるなら・・・

葉や茎、ヘタを取り除き、実だけを与えます。消化されにくい皮や種も取り除き、細かくカットして与えましょう。加熱したほうが栄養成分が効率的に吸収されるので、茹でる、蒸すなどがおすすめです。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日119g~141g(約7/13~約9/13個)です。
ミニトマトの場合は、体重4~5Kgの猫で1日79g~94g(約5~6個)です。

【ブロッコリー】与えるときは注意が必要

猫に有益な栄養素が含まれているブロッコリーですが、食べ過ぎればかえって健康を損ねる心配もあります。

過剰摂取による尿路結石症やアレルギーに注意して

ブロッコリーは猫がたまに食べる程度なら、問題ありません。ただし、過剰摂取は尿路結石症や甲状腺機能の低下、便秘などの原因になることも。また、稀にブロッコリーで食物アレルギーを起こす猫もいるので気をつけましょう。

猫にブロッコリーを与えるなら・・・

生のブロッコリーは消化がよくないので必ず加熱してから、細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日79g~94g(小房中サイズ約8~9切)です。

【豆苗】与えるときは注意が必要

えんどう豆の新芽(若芽)である豆苗は、猫の体に必要なビタミン類が豊富に含まれていますが、与える際にはいくつか注意したい点があります。

生の豆苗には猫に有毒な成分あり

生のえんどう豆には「レクチン」という毒素が含まれています。発芽する際に分解されるので、豆苗として市販されているものには含まれるレクチンは少ないようで、人間が生で食べてもとくに問題はありません。しかしながら、人間よりずっと体の小さい猫の場合は、人間より影響を受けやすいと考えられるので、生の豆苗は与えないようにしましょう。

猫に豆苗を与えるなら・・・

豆苗の根の部分は切り落とし、葉と茎を茹でるかで電子レンジで加熱し、細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日88g~104g(約4/5~1袋)です。

【なす】与えるときは注意が必要

なすはアクの強い野菜なので、猫に与える際には下処理が必要になります。

アク抜きしたもので少量なら可

なすに含まれるアクが、アレルギー反応を引き起こすことがあります。与える前に、必ずアク抜きするのを忘れずに。

猫になすを与えるなら・・・

なすを切ったら、水にさらしてアク抜きをし、茹でて刻んでから与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日132g~156g(小2本~小2.5本)です。

【いんげん】与えるときは注意が必要

てんぷらに使われることの多い野菜のひとつ、いんげん。胃腸の弱い猫に与えるのは控えたほうがよさそうです。

胃腸の弱い猫には控えて

食べ過ぎると腸内で過剰に発酵し、下痢をする恐れがあります。胃腸の弱い猫には控えましょう。

猫にいんげんを与えるなら・・・

消化をよくするため、茹でて5mm程度に刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日103g~122g(10本~12本)です。

【菜の花】与えるときは注意が必要

春の訪れをいち早く感じさせてくれる菜の花。猫に与えるなら、以下のことを注意してください。

からしなど調味料であえたものは与えない

からしなどの調味料であえたものは、猫に刺激が強いので与えてはいけません。ほしがるならば、茹でて刻んだ状態のものを味付けはしないで与えましょう。

猫に菜の花を与えるなら・・・

茹でて細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日70g~83g(約2茎~2.5茎)です。

【じゃがいも】与えるときは注意が必要

一年を通して手に入りやすく身近な野菜のひとつ、じゃがいも。与える部分や調理法には注意が必要です。

生のままはNG。芽は中毒の恐れあり!

じゃがいもの芽や皮の緑色の部分にはソラニンと呼ばれる毒性の強い成分があり、猫が下痢をしてしまうことがあります。与える場合は芽をしっかりと取ることを忘れずに。

猫にじゃがいもを与えるなら・・・

芽の部分を大きめに切り取り、皮を剥き、茹でる、蒸す、電子レンジで加熱するなどしてから冷ましたものを与えましょう。与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日47g~55g(中1/2個)です。

【たけのこ】与えるときは注意が必要

春を象徴する野菜の代表格であるたけのこ。旬の味を愛猫にも分けてあげたくなるかもしれませんが、与える際には注意が必要です。

ミネラルが多く結石の原因になるので与え過ぎないで

結石のもとになるミネラルが多く含まれているため、尿路結石症の心配がある猫には与えてはいけません。

猫にたけのこを与えるなら・・・

茹でてアクを取り除いたものを細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日88g~104g(約9片~約10片)です。
※1片約10gとして算出

【水菜】与えるときは注意が必要

鍋料理のほかに、生のままサラダとしても人気の水菜。猫に与える際の注意ポイントを紹介します。

食べやすい大きさに刻んで与えて

カルシウムが尿石症の原因となるので、オシッコの病気がある猫には与えるのを控えましょう。

猫に水菜を与えるなら・・・

与えるならば、生で細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日103g~122g(約2/3株~約3/4株)です。
※1株170gとして算出

【しいたけ】与えるときは注意が必要

一年中手に入るきのこの代表格、しいたけ。体によいイメージのあるきのこでも、猫に与える際には気をつけたいことがあります。

食物繊維が多いので、与え過ぎると下痢の恐れあり!

約90%が水分なので、猫に害は少ないでしょう。ただし、食物繊維が豊富なので、生煮えだったり、食べ過ぎたりすると下痢をすることも。

猫にしいたけを与えるなら・・・

与えるならば、生で細かく刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日95g~112g(中9個~中8.5個)です。

【えのき】与えるときは注意が必要

しいたけ同様、季節を問わず手に入りやすいきのこのひとつ、えのき。与える際には以下のことを注意しましょう。

長いままだと、消化されにくいので注意

しいたけ同様、食物繊維を多く含むので食べ過ぎると下痢の原因になります。また、長いまま与えると、のどに詰まることがあるので、細かく刻んだものを与えるようにしましょう。

猫にしいたけを与えるなら・・・

茹でて細かく刻んでから与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日70g~83g(小7/8袋~小1袋)です。
※えのきの袋(小)=約85gとして算出

【白菜】適量なら与えてOK

冬の定番野菜、白菜は、猫が食べても問題のない野菜です。ただし、どんなに体によい野菜でも、食べ過ぎればかえって体を壊す原因にもなります。適量を超えないようにしましょう。

消化がよい野菜なので少量程度なら安心、ただし腎臓病の猫は要注意

白菜はほとんどが水分なので、少量なら猫の胃に負担をかけることはないでしょう。ただし、白菜はカリウムが多いので、腎臓病を患っている猫の場合は、カリウムの排出がうまくいかず、高カリウム血症になる恐れがあるので、与える際には獣医師に相談してください。

猫に白菜を与えるなら・・・

茹でて刻んだ状態で与えます。白菜は茹でると柔らかくなり、より消化を助けます。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日183g~216g(約3.5枚~約4枚)です。

【レタス】適量なら与えてOK

レタスは、猫に与えてもとくに問題はありません。シャキシャキした食感を好む猫もいるかもしれません。

約96%が水分なので、熱中症の予防にも

レタスほとんどが水分なので、水を飲みたがらないときにレタスで水分を補給するのもよいかもしれません。食物繊維も豊富なので便秘の解消も期待できそうです。
一般的なレタスは淡色野菜ですが、サニーレタスは緑黄色野菜で、カロテンやカリウムなど過剰摂取を避けたい栄養素が豊富なので、猫に与えるなら一般的なレタスのほうがよいでしょう。

猫にレタスを与えるなら・・・

生のまま小さくちぎって与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日216~255g(葉7枚~8枚)です。

【キャベツ】適量なら与えてOK

レタスと同様、身近な野菜のひとつであるキャベツも、猫に与えてもとくに問題のない野菜です。

茹でたものならば消化もよいので与えてもOK

キャベツには猫の体に害になる有害な成分は含まれていないので与えても大丈夫です。胃腸によいといわれる「キャベジン」はじめ、猫の体に役立つ栄養素も豊富です。

猫にキャベツを与えるなら・・・

消化がよくなるよう加熱して細かく刻み、フードに軽くトッピングするとよいでしょう。
与えてよい量は、茹でたキャベツの場合、体重4~5Kgの猫で1日125~148g(約2/11~約3/15個)です。

【きゅうり】適量なら与えてOK

きゅうりは夏野菜のひとつですが、一年中手に入りやすい身近な野菜です。猫に与えてもとくに問題はありません。

ほとんどが水分なので問題なし

きゅうり独特の草に似た青臭さを好む猫もいるようです。多少ミネラルが含まれていますが、ほぼ水分なので与えても問題ありません。

猫にきゅうりを与えるなら・・・

生のまま千切りにして与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日183g~216g(大1本~大1+1/5本)です。

【かぼちゃ】適量なら与えてOK

甘くほくほくした食感のかぼちゃは、猫が食べてもとくに問題のない野菜のひとつです。

味付けせずに加熱したものなら問題なし

食物繊維やビタミンが豊富なかぼちゃ。猫が中毒を起こすような成分は含まれていないので、与えて大丈夫です。ただし、カロリーが高めなので、与え過ぎないように。人間用に甘く煮たかぼちゃも与えないでください。

猫にかぼちゃを与えるなら・・・

茹でる、蒸す、または電子レンジで加熱して、柔らかくしたものを細かく刻むかペースト状にして与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日30g~35g(1/45~1/38個)です。

【大根】適量なら与えてOK

猫に大根を与えてもとくに問題はありません。猫に有害な物質は含まれていないので、白い根の部分だけでなく、葉の部分も与えてOKです。

白い根の部分はすりおろす、葉は茹でて刻んで

大根を猫に与える際には、皮を剥きすりおろしたもの、もしくはすりおろした汁を与えましょう。葉の部分は消化しやすいよう、茹でて細かく刻んでから与えてください。

猫に大根を与えるなら・・・

与えてよい量は、大根の根(生/皮なし)の場合、体重4~5Kgの猫で1日159g~187g。大根おろしの場合は95g~112g、葉(生)は103g~122gが目安です。

【にんじん】適量なら与えてOK

栄養豊富なイメージのあるにんじんも、猫に与えてよい野菜のひとつです。与え方と量は、下記を参考にしてください。

加熱したものをすり潰して与えて

にんじんには、猫の健康に役立つ栄養素が豊富に含まれているので、適量なら与えても大丈夫です。加熱することで免疫力を高めるβカロテンを吸収しやすくなります。生煮えの状態で与えると下痢の原因になるので注意しましょう。

猫ににんじんを与えるなら・・・

加熱したものをすり潰して与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日68g~80g(乱切り4個~乱切り5個)です。

【ゴーヤ】適量なら与えてOK

夏バテ対策に役立つイメージのあるゴーヤ。生では強い苦味がありますが、加熱したものなら猫に与えてもとくに問題はありません。

茹でたものなら大丈夫

苦味が強いものの、青臭さを好む猫もいるようです。ゴーヤには猫が中毒を起こすような成分は含まれていませんが、生で与えると消化されにくいので茹でてから与えましょう。

猫にゴーヤを与えるなら・・・

茹でてから5mm程度に刻んで与えましょう。
与えてよい量は、体重4~5Kgの猫で1日159g~187g(3/4本~9/10本)です。

【ピーマン】適量なら与えてOK

ピーマンは猫に与えてもOKな野菜のひとつです。与え方は以下を参考にしてください。

中毒を起こす有毒成分はなし。ただし、ナス科のアレルギーには要注意

ピーマンには、猫に害を及ぼす有毒な成分は含まれてないので、少量なら与えて大丈夫です。ただし、ピーマンはナス科の植物なので、なすやトマト、じゃがいもなどのナス科の野菜にアレルギー反応を示したことがある猫には与えないでください。

猫にピーマンを与えるなら・・・

生では固いので茹でて刻んでから与えましょう。与える量の目安は小さじ1弱程度です。

身近な野菜が猫の健康を損ねる可能性も!

人間の体にとってよい野菜でも、猫にとっては危険なものも。野菜を与える前にしっかりチェックし、大丈夫な野菜でも適量を守って与えましょう。
※食べ物を与えるときは、のどに詰まらないよう、細かく切るなど下処理をしてから与えてください。
※問題のない食材でも初めて口にしたときは下痢をしてしまうことも。様子をみながら、少しずつ与えましょう。
※どんな食べ物でもアレルギー症状を引き起こす可能性はあります。愛猫に与えて異変が出たら、ただちに与えるのをやめて、獣医さんに診てもらいましょう。
※この記事で「与えてはいけない食材」として紹介しているものが、猫用のフードの成分として含まれていることがありますが、食材そのままでなく、猫用に成分を調整するなど適切に加工されているので心配ありません。

今回紹介しきれなった野菜については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

獣医師監修 猫が食べると危険な食べ物図鑑

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 准教授 )
文/村田 典子

※一部写真はスマホアプリ「まいにちのねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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