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【獣医師が説明】猫の口内炎|原因・症状〜治療法、他の病気との関係も解説

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猫の口内炎を侮ることなかれ。人とは違って、大病につながる可能性もあります。そこで今回は、猫のかかりやすい口内炎について解説!早期発見や重症化を防ぐため、症状や原因、治療法から予防法、他の病気との関係性などについてご紹介します。

猫の口内炎とは

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猫のお口のトラブルの中で最も多いのが「口内炎」です。猫の口内炎は、実は人にできるものとは少し違います。人の場合、口内の一部にできるイメージの強い口内炎ですが、猫の口内炎は一部だけではなく、口の中の広範囲に炎症が起きてしまう病気です。

口内炎は人にも身近なので、あまり大きな病気ではないと捉えがちですが、重症度によっては相当な痛みを伴う場合もあり、食事が困難になることもあります。具合が悪いことを話せない猫にとっては、異常を伝える大事なサインなのかもしれません。

どんな症状が出るの?

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口内炎は発見しにくく、飼い主が気がつく頃には重症化していることの多い病気です。もし次のような症状が見られた場合には、口内炎の疑いがあります。

 ■初期症状
・今まで感じなかった口臭がある
・口の中が少し赤くなる
・食事の際に痛そうに頭を振ったりして食べる
・柔らかいものしか食べなくなる
・口元を前足で掻いたり、口元を気にする素振りをする

 ■悪化した場合
・食欲がなくなる
・口臭がかなり強くなる
・口の中がかなり赤くなる
・口を開けていることが多い
・水をあまり飲まなくなる
・毛づくろいをしなくなる
・ヨダレが出る
・アクビをしている最中に痛がる

口内炎を初期症状の段階で見つけることは、とても難しいとされています。食事の時の様子の変化や異常を見つけた場合は口内炎を疑い、まずは口の中を見てみることが大事です。食べたそうにしているのに実際にご飯をあげると食べられないなど、普段と少しでも違った様子がないか日頃から観察するよう心がけましょう。

また、食欲が落ちた場合はドライフードをふやかしたりウェットフードに切り替えたりなど、痛くても食べられるようにしてあげることが大切です。それでも食べられない場合は症状が悪化している疑いがありますので、すぐに獣医師に診せることをおすすめします。

口内炎の原因は?

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実はなぜ口内炎になってしまうのか、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。これは人においても同様です。ただし傾向としては、以下の原因で口内炎になることが多いとされています。

①歯周病による細菌感染
歯石や歯垢により歯周病になりやすくなり、口内に炎症が広がってしまいます。そこに細菌が増殖したことにより、歯肉炎から口内炎になることがあります。

②免疫力の低下
体調が崩れてしまっている時や、栄養状態が悪い時に免疫が低下し、口の中の細菌が増え、炎症が起きやすくなります。その結果、口内炎ができてしまうことがあります。

③ウイルス性の病気
②とも関連していますが、猫の風邪や猫ヘルペスウイルスなどにかかってしまっている場合、
口内炎ができやすいことがあります。ウイルス性の口内炎の場合は重篤な病気の兆候の可能性もあります。

どんな治療法があるの?

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口内炎の治療法は、症状の重症度によって変わってきます。

■投薬治療  
初期段階の比較的軽い場合は、主に薬を投与する治療を行います。獣医師が抗炎症薬・抗菌薬などを症状に合わせて処方し、投薬で効果が出る場合は様子を見ながらの治療になります。

■歯石の除去治療
口臭があり、歯石や歯垢が原因で口内炎になっている場合は、全身麻酔を使用して原因となる歯石や歯垢の除去の治療をします。

■抜歯
口の中の痛みが強く、歯を抜いたほうが良い場合は抜歯をします。全身麻酔を使用してトラブルのある歯を抜歯したり、上記した歯石や歯垢の除去なども並行して行う場合があります。一見「歯がなくなるとご飯が食べられなくなってしまうのでは?」と心配になると思いますが、猫は丸呑みしてしまう動物なのであまり心配は要りません。

口内炎の予防法は?

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歯ブラシまたは歯磨きシートを使い口内を綺麗にする

口内炎の最たる予防は、口の中でバイ菌を繁殖させない事です。歯周病を予防するためにも、口の中を綺麗にする事が大事です。ペット用歯ブラシとペーストで歯磨きをする事が理想ですが、ほとんどの猫は歯磨きを嫌がります。対策としては、歯ブラシにペースト状のフードをつけて徐々に慣らしていくと良いかもしれません。

どうしても歯ブラシを嫌がる場合は、販売されているペット用の歯磨きシートなどを使い、歯や歯茎を優しく拭いてあげることで口内環境を清潔に保つ事が出来ます。

マヌカハニー

ニュージーランドの特定の地域でしか採れないマヌカハニーと呼ばれる蜂蜜は、普通の蜂蜜とは違って「食品メチルグリオキサール」と呼ばれる殺菌成分が豊富に含まれています。高い殺菌作用に加えて、高い抗ウイルス性効果をもつために、歯周病や歯肉炎の防止に効果的だと発表されています。

猫においても効果的だとされていますが、与えすぎはNG。アレルギーを持っている子もいるかもしれませんので、与える場合は少量を舐めさせることから始めましょう。ただし殺菌効果の影響なのか、ツーンとした匂いと少し独特な味がします。猫が舐めたり食べたりしない場合は、少量をフードの中に入れたり、口の中に少量をつけるように入れたりすると良いかもしれません。

他の病気との関係性は?

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口内炎の種類によっては、全身性の病気が元で免疫が低下し、症状が現れている場合があります。もし一向に症状が良くならない場合は、隠れている病気のサインかもしれません。難治性の口内炎になってしまった場合に考えられる病気は以下の通りです。

①猫カゼ
カリシウイルスやヘルペスウイルスに感染して発症する病気。結膜炎や口内炎の症状が出て、繰り返し再発する場合があります。

②猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)
猫エイズとも呼ばれており、発症してしまうと免疫を著しく低下させてしまう病気です。その場合口内炎が治ることは難しいとされています。

③猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
白血球数が大幅に減少し抵抗力がなくなるため、様々な菌に対する免疫や抵抗力がなくなってしまいます。この病気になった場合口内炎が完治することは難しいとされています。

④腎不全
腎不全と診断された猫の多くが難治性の口内炎にかかってしまっている場合があります。ただでさえ腎不全になってしまうと食欲が落ちてしまうのですが、口内炎も併発してしまうと更に食欲がなくなってしまいます。免疫も低下してしまい、口内炎自体も治すことが難しい病気です。

このように口内炎といっても原因は様々ですが、どれも免疫が低下していることを表しているサインです。「ご飯の時痛がって食べていないか?」など食事の様子を観察することを心がけてあげることで、早期発見につながるでしょう。もし不安がある場合は自己判断せず、獣医師に相談して適切な治療を受ける事をおすすめします。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(口内炎)」

出典元/『ねこのきもち』17年3月号「粘膜に症状が現れる病気」(監修:重本仁先生)
    『ねこのきもち』17年9月号「イマドキ健康事情」(監修:鵜飼佳実先生)
    『ねこのきもち』 WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(口内炎)」
文/Un
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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