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【猫の口内炎】症状や原因、治療~予防を獣医師が解説!歯磨きガイド付

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猫も人と同じように口内炎になりますが、実はそれは重篤な病気のサインかもしれません。今回は、口内炎の症状や原因、治療法や飼い主さんにできる予防法などを解説します。たかが口内炎と侮らず、愛猫の様子をふだんから気にかけておくことが大切ですよ。


目次

年齢とともに増加する口内炎、どんな症状があるの?

口内炎の原因はさまざま、重篤な病気の可能性も!

口内炎の治療法は?

飼い主さんにもできる口内炎の予防法、歯磨きガイドも!

ふだんから食事の様子を気にかけ早期発見を!

年齢とともに増加する猫の口内炎、どんな症状があるの?

あくび
getty

猫の口内炎とは

猫の口内炎は、猫のお口のトラブルの中でもっとも多く、年齢が高くなるほど増加傾向にあるといわれています。人の場合、口内の一部にできるイメージが強いですが、猫の場合は一部だけではなく、口の中の広範囲に炎症が起きてしまうのが特徴です。

人の口内炎のイメージから軽視してしまいがちですが、重症度によっては相当な痛みを伴い、食事が困難になることもあります。具合が悪いことを伝えられない猫にとって、口内炎は体の不調を伝える大事なサインだと考えてもよいでしょう。

猫の口内炎の主な症状は?

◆初期症状


  • 今まで感じなかった口臭がある
  • 口の中が少し赤くなる
  • ヨダレが出る
  • 食事の際に痛そうに頭を振ったりして食べる
  • 柔らかいものしか食べなくなる
  • 口元を前足で掻いたり、口元を気にする素振りをする

◆悪化した場合


  • 食欲がなくなる
  • 口臭がかなり強くなる
  • 口の中がかなり赤くなる
  • 口を開けていることが多い
  • 水をあまり飲まなくなる
  • 毛づくろいをしなくなる
  • ヨダレが多くなる
  • あくびをしている最中に痛がる

口内炎を初期段階で見つけることは、とても難しいとされています。食事のときの様子の変化や異常を見つけた場合は口内炎を疑い、まずは口の中を見てみることが大事です。食べたそうにしているのに実際にご飯をあげると食べられないなど、普段と少しでも違った様子がないか日頃から観察するよう心がけましょう。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「歯磨きしてる!?口腔内の病気「歯肉口内炎」「化膿性肉芽腫」って?」

猫の口内炎の原因はさまざま、重篤な病気の可能性も!

眠る猫
getty

実はなぜ口内炎になってしまうのか、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。これは人においても同様です。ただし、傾向としては、以下の原因で口内炎になることが多いとされています。

猫の口内炎の原因1. 歯周病による細菌感染

歯石や歯垢により歯周病になり、口内に炎症が広がります。そこに細菌が増殖することにより、歯肉炎から口内炎になることがありますが、これらは歯磨きで予防することが可能です。歯磨きのやり方については後ほど詳しく解説します。

猫の口内炎の原因2. 免疫力の低下

免疫力が低下すると口の中の細菌が増え、炎症が起きやすくなります。その結果、口内炎ができてしまうことがあるのです。猫の免疫力は、体調が崩れてしまっているときや栄養状態が悪いときだけでなく、ストレスを感じることでも低下するとされています。トイレの清潔さを保ったり適度に運動したりと、ストレスを与えないことが大切でしょう。

猫の口内炎の原因3. ウイルス性の病気

口内炎の種類によっては、ウイルス性の病気が元で免疫が低下し、症状が現れている場合があります。もし一向に症状が良くならない場合は、以下のような感染症が考えられます。

◆猫カリシウイルス感染症(猫カゼ)


カリシウイルスやヘルペスウイルスに感染して発症する病気です。結膜炎や口内炎の症状が出て、繰り返し再発する場合があります。

◆猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)


猫エイズとも呼ばれており、発症してしまうと免疫を著しく低下させてしまう病気です。その場合、口内炎が治ることは難しいといわれています。

◆猫白血病ウイルス感染症(FeLV)


白血球数が大幅に減少し抵抗力がなくなるため、さまざまな菌に対する免疫や抵抗力がなくなってしまいます。この病気になった場合、口内炎が完治することは難しいとされています。

しかし、これらのウイルス性感染症には予防ワクチンがあります。そのため、定期的にワクチンを接種することを心がけましょう。

猫の口内炎の原因4. 腎不全

猫が腎不全になると、難治性の口内炎にかかってしまうケースも多いようです。ただでさえ腎不全になると食欲が落ちてしまうのですが、そこに口内炎を併発すると更に食欲がなくなり、免疫が低下してしまいます。

食欲が落ちた場合はドライフードをふやかしたりウェットフードに切り替えたりなど、痛くても食べられるようにしてあげることが大切です。それでも食べられない場合は症状が悪化している疑いがあるため、すぐに病院に連れていくことをおすすめします。

猫の口内炎の治療法は?

抱かれる猫
getty

口内炎の治療法は、症状の重症度によって変わってきます。

系統性口内炎の治療

系統性口内炎は、主にビタミンの不足や糖尿病、各種ウイルス性感染症や腎臓病などの病気によりできる口内炎です。栄養不足や過労、薬の副作用などでもできることがあり、この場合は、口内炎の原因となる病気の治療を優先します。

初期段階の比較的軽い場合は、獣医師が原因となっている病気に対する抗炎症薬・抗菌薬などを症状に合わせて処方し、投薬で効果が出る場合は様子を見ながらの治療になるでしょう。原因となる病気がよくなれば、口内炎も治療していきます。

潰瘍性口内炎の治療

原因不明なことが多いのが潰瘍性口内炎です。栄養不足や免疫力の低下、感染症や代謝異常などが考えられるものの、明確にはなっていないのが現状であるため、基本的には歯周病の管理をすることとなります。

◆歯石の除去治療


口臭があり、歯石や歯垢が原因で口内炎になっている場合は、全身麻酔を使用して原因となる歯石や歯垢の除去の治療をします。

◆抜歯


口の中の痛みが強く、歯を抜いたほうが良い場合は抜歯をします。全身麻酔を使用してトラブルのある歯を抜歯するほか、歯石や歯垢の除去なども並行して行うことがあります。一見「歯がなくなるとご飯が食べられなくなってしまうのでは?」と心配になると思いますが、猫は丸呑みしてしまう動物なのであまり心配は要りません。

◆レーザー治療


自然治癒力を高め、痛みなどを軽減するためにレーザー治療が行われることもあります。照射自体に痛みがなく、麻酔をかけずに行える点や出血が少ない点が特徴で、多くの場合、数回の通院が必要です。しかし、獣医師によってはその効果の判断が分かれるため、気になるときはかかりつけの獣医師に相談しましょう。

飼い主さんにもできる猫の口内炎の予防法、歯磨きガイドも!

食べる猫
getty

口内炎は、日々の生活の中で発症や進行をある程度予防することができる病気です。ここでは、飼い主さんにもできる予防法について紹介します。ぜひ今日から取り入れてみてください。

猫の口内炎の予防法|歯磨き

口内炎の予防はなんといっても口の中でバイ菌を繁殖させないことです。歯周病を予防するためにも、口の中はいつも綺麗にしてあげましょう。ペット用歯ブラシとペーストを用意して歯磨きをするのが理想です。

◆正しい歯磨きガイド


1.猫を膝の上にのせ、リラックスさせる
抱っこができる猫の場合は膝の上にのせて、猫の喜ぶところをなでてリラックスさせながら、歯磨きの体勢にしましょう。猫の後方から両手を回すようにすると、猫の体が安定するのでおすすめです。抱っこが苦手な猫の場合は台にのせ、後ろから覆いかぶさるように猫の後方から手を回す抱え方をすると、飼い主さんの体と密着することで猫が安心できるでしょう。

2.歯垢の付きやすい臼歯(奥歯)を磨く
歯ブラシを持っていない手の人差し指で猫の口角を引っ張り上げるようにし、1本ずつ磨いていきましょう。ほかの歯に比べて大きい臼歯は歯垢がつきやすいため、念入りに磨いてあげてください。

3.犬歯と切歯(前歯)を磨く
歯ブラシを持っていない手の人差し指で上唇を持ち上げて磨いていきます。長さのある犬歯は左右の横方向だけでなく、上下の縦方向も磨きましょう。

歯磨きのコツは、歯ブラシを斜め45度くらいに傾けて歯に当て、左右に小刻みに動かすこと。歯ブラシは鉛筆を持つようにすると、歯茎を傷つけず、優しい力加減で磨けますよ。また、ほとんどの猫は歯磨きを嫌がるため、初めは歯ブラシにペースト状のフードをつけて徐々に慣らしていくと良いでしょう。

◆歯磨きシートを使うのも手


どうしても歯ブラシを嫌がる場合は、販売されているペット用の歯磨きシートなどを使い、歯や歯茎を優しく拭いてあげることで口内環境を清潔に保つことが出来ます。

歯を触られるのが苦手な猫には、口に数的たらすだけで歯をフッ化ナトリウムがコーティングしてくれるゼリータイプのデンタルケア商品もあります。とても簡単にケアできるので、試してみるのもよいでしょう。

猫の口内炎の予防法|マヌカハニー

ニュージーランドの特定の地域でしか採れないマヌカハニーと呼ばれるはちみつは、普通のはちみつとは違って「食品メチルグリオキサール」と呼ばれる殺菌成分が豊富に含まれています。高い殺菌作用に加えて、高い抗ウイルス性効果をもつために、歯周病や歯肉炎の防止に効果的だと発表されています。

猫の口内炎の予防法|フードを工夫する

口内炎の原因では、歯垢や歯石が元となるケースが多くあります。そのため、なるべく歯垢や歯石がつきにくいフードを選択するのもひとつでしょう。一般的にはドライフードのほうが歯石はつきにくいといわれています。

猫の口内炎の予防法|サプリメントを使う

口内炎は免疫力の低下によってもできてしまうため、免疫力を上げることを目的としたサプリメントを与えるのもよいでしょう。猫の口内炎には、乳酸菌を含むものがおすすめです。乳酸菌は、免疫力アップだけでなく、口内の悪玉菌を抑制し、減少させる効果があるため、口内環境の改善が期待できます。

ふだんから愛猫の食事の様子を気にかけて口内炎の早期発見を!

食べ終わった猫
getty

ひとくちに口内炎といっても原因はさまざまですが、基本的には免疫が低下していることを表しているサインと考えて良いでしょう。「ご飯を食べるときに痛がっていないか」、「口を開けづらそうにしていないか」など、ふだんの様子を気にかけてあげることは、重篤な病気の早期発見にもつながります。
日頃から飼い主さんにできる予防法を実践するとともに、不安がある場合には自己判断をせず、獣医師に相談して適切な治療を受けるようにしましょう。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫の誤食やケガ、歯周病などの治療費とは? 体験談で相場を知ろう」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「春先にかかりやすい、粘膜に症状があらわれる猫の病気」

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(口内炎)」

参考/「ねこのきもち」2017年3月号『猫にも花粉症が!?春はとくに気を付けたい 粘膜に症状が現れる病気』(監修:王子ペットクリニック院長 重本仁先生)
   「ねこのきもち」2017年9月号『データで見る 愛猫を守るためにできることが見えてくる!イマドキ猫の健康事情』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
   「ねこのきもち」2017年1月号『読者の克服ワザも 今年こそ、愛猫に歯磨きしたい!』(監修:日本小動物歯科研究会会長 獣医学博士 フジタ動物病院院長 藤田桂一先生、フジタ動物病院獣医師 山地七菜子先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『病気・症状データベース(口内炎)』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/菜々
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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